【カナエール2017】カナエルンジャーからの手紙
(昨年記事「エンパワってどんな人が参加しているの?」:http://www.canayell.jp/?p=2410)
よかったと思ったことの1つが「カナエルンジャーの成長や変化」を
彼らの近くで見れたことでした。
大人たちだけでなくカナエルンジャー自身も成長を感じた120日間だったのではないでしょうか。
私は4才の時から施設で暮らしていました。
だから自分があきらかに他の子とは環境が違うことは小さいながらに気づいていて、自分のことは‶普通の子じゃないんだ〝って思っていました。これまでずっと 大事な人にも友達にも本当の自分のことを隠してきました。自分の家族は仲の良いフリして嘘ついてきたし、施設にいる時も職員さんと相談したりとかあんまりベッタリするタイプではなかったので自分の本当のことをきいてもらうことがあまりありませんでした。
だから進路のこととか自分の思っていることを話すのは正直苦手でした。そんな時職員さんに進められたこのカナエールに参加して初めてエンパワさんと顔を会わせました。
最初はちょっとやだなって思ったことが2つありました。
1つ目はエンパワさんはみんなお金を払って、自分の時間を割いてまで参加してるって聞いてなんか申し訳ないなって思ったことです。あるエンパワさんは後々は難民支援とかもしたいって言っていて、私は自分でいうのもあれだけど、性格的に結構自立してる方だと思うし、施設にいるってだけで生活とかめちゃめちゃ困ってる!って訳じゃないからこんな私で申し訳ないなって思いました。
2つ目は自分のことを話すことです。今まで自分のことを話す機会が無かった私にエンパワさんは色々きいてきてくれたけど、私はパーソナルスぺースがすごく狭いから多分めっちゃ必死に逃げててエンパワさんとの間に自分から壁つくってて、今思うと申し訳なかったなって思いました。
けど、カナエールに参加してすごく考え方が変わりました。
まずルンジャーです。はじめ、自分のことを隠していた私にとって、他のルンジャーのスピーチは正直衝撃的でした。
みんな施設にいたことを悲観的に捉えず、むしろ良い経験だったと思っているような堂々と話ししている姿と本当にびっくりしました。私はこのカナエールを通じて初めて自分と同じ施設の子以外の同世代の施設出身の人と出会いました。
そこでみんなと話したり、今どんなことやってるとか、自分の施設はどうだったとか色々話してなんかとても安心しました。自分がいた施設はそれなりにルールとかもたくさんあったけど、恵まれた環境だったんだなとか、私自身も施設で育って学べたこと沢山あったし施設ににいたから出会えた人もたくさんいるしむしろ良かったなって思えたのは本当にルンジャーのおかげだと思います。
カナエールが始まって120日間正直大変なことの方が多かったけど、やり終えた今はやれて良かったなって思うし、あの舞台に立てたのも沢山の人の支えがあったから私はあんなに大勢の人達の前で自分の夢を話せたし、前以上に自分の夢が明確になりました。他のみんなのスピーチをあの舞台で、きいたとき正直ここ最近で一番感動したし、鳥肌が立ちました。だから応援してくれる方々にも、私たちを「施設出身のかわいそうな子」という目で見るのではなくて、施設で育って大勢の人にかこまれて育って、他の子とは違う経験をしているからこそ、心の強さが、優しさがみんなにはあることをもっともっと知ってもらいたいです。こうやって私が思えるようになったのは、施設の職員さんをはじめ、エンパワさん事務局の方々、私達を陰ながら応援してくれた方々のおかげだと思います。
そして私が今こんなに支えられている分、いつか私も支える側として、カナエールや未来の施設出身の子どもたちが夢を自信をもって追いかけられるような環境を作る側としてお手伝いができたら良いなって思います。
その時がくるまで私自身これから先自分の夢を全力で追いかけ、未来の子どもたちに胸を張って「私は夢を叶えたんだよ」って言えるように頑張り続けたいです。
最後に
私が夢を追いかけるチャンスを下さった皆様
本当にありがとうございました。
普段なかなかできない体験ができるカナエールのボランティア。