【エンパワ日記】知りたい・知る その先の向こうにあるもの

■子どもたちがおかれている現実
「あなたは大学へは行けない」
施設へ入所して、しょいが言われた言葉でした。
児童虐待と聞いて皆さんが思い浮かべる子どもは何歳くらいでしょうか?
15歳以上の子どもが毎年、何人保護されているか知っていますか?
最近では、小さい子に対する虐待関連の報道も増え、相談・通告件数が増えていることは皆さんもご存知のことと思います。
ですが、児童虐待と聞くと乳幼児や小学生くらいの子どもだけのことと思われている方も多いのではないでしょうか。

■横浜市の現状
横浜市では、平成26年度に4,507件の相談・通告がありました。
そのうち、1,072人が虐待の新規把握件数として対応されています。
2年連続の1,000人オーバーです。
そして、15歳以上の児童は112人、実に全体の10.4%でした。

■教諭という立場からみた「児童虐待」
私、横浜ブラックチームマネージャーのマヨネーズ☆は公立高校で教諭として働いています。
仕事柄、多くの高校生と出会ってきました。
その中には、ひとり親世帯、生活保護世帯、外国籍世帯、そして児童養護施設から通う生徒たちもいます。
教員というのは、子ども一人ひとりに向き合い、時に寄り添う仕事だと思っています。
ですが、もっとも見えにくく判断に迷うもののうちの一つが、高校生への虐待です。

高校生は小、中学生までと違い、地域から離れ学校へ通うため、地域は昼間の彼らの姿を知りません。
また高校が家庭や地域での様子を知ることも難しいです。
子どもの身体が成長しているため、抵抗力のない小さな子のように、まさか家庭で暴力を受けているとは一般的には考え難いです。
そしてアルバイトをしている者も少なくなく、一見すると普通の高校生なのです。
ですが、僅かなバイト代は親に取られ、十分な食事も与えられず、精神的に抵抗する気力を奪われ、
暴力を振るわれている高校生が、今もいるという事実をまずは知ってもらいたいです。
私の教職経験の中で辛く悔しかったのは「虐待に早く気づいてやれなかったこと」です。
いったい彼、彼女らはいつから人知れず虐待を受け、誰にも気づかれないまま一人苦しんでいたのでしょうか。それも高校生まで。


横浜ブラック02
前置きが長くなりましたが、今回、私たちが担当するカナエルンジャーは、「しょい」といいます。
しょいは高校生活も折り返そうかという時に保護され施設で暮らすことになりました。
しょいもまた、社会から見えにくいところで、一人で戦っていた子どもの一人なのです。
そして施設へ保護されて間もなく、しょいが言われた言葉が冒頭の「あなたは大学へは行けない」でした。
どうして、しょいは大学へ行けないのか。それは学力の問題ではありません。
保護されたのが遅く、大学進学のための学費がなかったのです。
それでも今、しょいは進学し大学生としての一歩を踏み出し始めたところです。

施設で暮らす子どもは、保護される年齢が高くて進学費用を貯めることができなかった子どもは、進学を諦めないといけないのでしょうか?
その答えをコンテスト会場で子どもたちのことを知り、皆さん一人ひとりに考え、出してもらえたらと思います。

■横浜ブラック 「しょい」という女の子
しょいは知的好奇心の塊です。
特に語学に力を入れ、海外の文化や価値観に興味関心をもっています。
大学へは往復5時間以上かけて、休まず通っています。もちろんアルバイトも頑張っています。
歌やダンス、食レポなど勉強以外にも様々なことに興味をもっている、キュートな大学生です。
カナエールプログラムでもある仕事人訪問では、グローバル企業で働く方、インドで起業している方、北京特派員経験のある通信社の方にヒアリングをしました。
業界、職業としての夢はまだありませんが、文字通り、しょいは無限の可能性を秘めています。

■私が「しょい」からもらったもの

・笑顔
・真剣な眼差し
・語学の重要性と努力
・海外文化や人の価値観に対する好奇心
・枠や固定観念によらない挑戦する心
・武器をもつということ
・底なしの知りたいという思い
・自分の枠をつくらない、可能性を広げていく姿勢

私は高校生のときに決めたことがあります。輝く大人になろうって。
私にとって輝く大人がどんなかというと、夢に向かってワクワクと努力し続けているひとでした。
ふと隣を見ると、小さくも私が追い求めていた輝く大人の一歩を踏み出した大学生がここにいます。
私は信じています、しょいが奨学金と時間を有効に使い、輝く大人となることを。
同時に私に輝くことを思い出させてくれたことにこの場を借りて感謝します。
横浜ブラック03      横浜ブラック01

■最後に…
私たちエンパワと呼ばれる大人たちは特別な活動をしているわけではありません。
ただ、彼ら、彼女らのことを知って、一緒に考え、行動していく中で、
はじめは彼ら、彼女らに足りなかった作られた関係性かもしれませんが、いつしかホンモノの関係性になっていきます。
これは教員と生徒とは少し違った、少し年上の兄姉のような、親戚のおじさんのような、地域の何でも話せるおせっかいおばさんのような。
少なくとも私は、素敵な子どもたちに出会え、同じ時間を過ごせることに感謝しています。
皆さんにも彼らのことを知ってもらい、輪が広がっていくことを願います。

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皆さんもぜひ、6月18日(土)神奈川公会堂(神奈川県横浜市)でしょいのスピーチを聞いてください!

ニックネーム:マヨネーズ☆(チーム名:横浜ブラック)

 

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