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「叶える」

このブログは「号泣する準備はできていなかった」の後編です。
前編をご覧になってから読むことをお薦めします。
 
こんにちは。
カナエール2016エンパワメンバーのやまちゃんです。
今回は、カナエールを通じて起こった自分の変化について、書きます。
 
僕は、仕事をしながら、家族を養いながら、やれる範囲で、ライフワークとして音楽をやってきました。
楽曲制作やライブ活動をがんばったり、休止したりを繰り返しながら、不完全燃焼な日々を過ごしていました。
周りの友人にも胸を張って言えないような、プロフィールの「趣味」の欄に控えめに「バンド」と書くレベルの。
 
6月25日にカナエール東京が終わって、しばらく僕は、放心状態でした。
ぎりちゃんや同じチームのエンパワメンバーをはじめ、カナエールのみんなと過ごした120日間があまりにも眩しくて、ちょっとでも思い出すたびに、何度も涙がこみ上げて、仕事中もちょっと席を外したこともありました。
 
そんなある日、眠れない夜があって、僕はふと、カナエールで体験したことを歌詞に書いてみました。
驚きました。
あっという間に完成してしまった。
頭の中でぐるぐる回っていたカナエルンジャーみんなの言葉がとめどなく溢れ出して、歌詞になってくれました。
後で曲を書いて、「叶える」と曲名をつけて、完成したのは7月5日でした。
 
みんなの思い出を形に残すことができて、うれしかった。
 
カナエールの仲間に話したところ、7月24日のカナエール2016解散会で歌ってくれ、ということになりました。
準備をして、あっという間に当日が来て、カナエール2016に参加したカナエルンジャーとエンパワメンバーの前で、弾き語りをしました。
 
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みんな、とても喜んでくれました。
僕の歌を応援すると、言ってくれました。
児童養護施設の子どもたちを応援していたら、いつのまにか僕も、自分の人生を応援してもらっていました。
みんなに勇気をもらった僕は、情熱を取り戻し、ライブ活動を再開しました。
エンパワメンバーの仲間がライブに来てくれて、僕の歌を聴いて「元気になった」とか「癒された」とか言ってくれる。
 
人に喜んでもらえること。
人に応援してもらえること。
それがこんなにも幸せなことなのかと、
僕は知りました。
 

応援は、連鎖するのだと。

 
カナエール2017の参加について、僕は悩みました。
カナエールのおかげで取り戻した音楽活動に、できる限り時間をかけたいと思ったからです。
児童養護やその他の社会的に苦しい立場にいる人たちを応援する方法として、音楽活動を通じてできることもあるんじゃないか、みたいなことも考えました。
 
それでも、時間をかけて考え、様々な人と相談をした結果、僕は2017年もカナエールに参加することにしました。
もっと児童養護について知りたい、少しでも役に立ちたい、そういう思いはもちろんありますが、決め手は「人を応援する人たちの仲間でいたかったから」です。
応援の連鎖が起こる輪の中に身を置くことが、がんばる自分を支える基盤になってくれるだろうと思ったのです。
 
2017年も僕は、仕事も、音楽活動も、カナエールをはじめとしたボランティアも、もちろん家族のことも、全力でがんばっていきたいと思います。
 
このブログを読んでくださった人の中に、次の120日間を一緒に過ごす仲間がいるかもしれないと思うと、とてもワクワクします。
エンパワメンバーとして、一緒に活動できることを、楽しみにしています。
 
カナエール2016エンパワメンバー 東京ブルー やまちゃん こと
シンガーソングライター・ヤマカワタカヒロ
 
カナエールボランティアの説明会は残り4回です。応援の連鎖、一緒につくりませんか?
皆様のご参加をお待ちしております。
(実行委員:おちえ)
1月 5日(木) 19:30-21:30 東京大手町
1月 8日(日) 13:00-15:00 東京大手町
1月14日(土) 10:00-12:00 横浜
1月15日(日) 10:00-12:00 東京大手町
説明会への参加のお申し込みは、以下のボランティア募集ページをご覧ください。

「号泣する準備はできていなかった」

 
このブログはカナエール2016のエンパワ日記「笑顔への旅路」の続編です。
 
こちらをご覧になってから読むことをお薦めします。
 
「絶対4人で笑顔で舞台に立つ」
カナエール2016 東京ブルーチームの、その約束は果たされませんでした。
笑顔のままではいられないほどの体験が、そこにありました。
 

<6月25日 四谷区民ホール>
スピーチコンテスト当日。
スピーチをしている「ぎりちゃん」の右後ろで、僕は号泣してしまいました。
笑顔で見届けようと心に決めたのに、どれだけがんばっても、涙を抑えることはできませんでした。
人前で、あれだけ体を震わせて泣いたのは、中学時代のサッカー部の最後の試合に負けたとき以来じゃないかと思います。
 
壇上のぎりちゃんは、スピーチ序盤から感情が溢れ、マイクが必要ないくらいの力強い声で、自分の思いを語りました。
それは、スピーチというよりも「魂の叫び」と呼んだ方がふさわしいほど、心の底から、身体中を振り絞って、600人の聴衆に投げかけられました。
ぎりちゃんのスピーチは、自分を変えてくれた恩師、T先生へのメッセージで終わりを迎えます。
マイクを外し、全力の生声で発せられたその言葉は、T先生の胸に確かに刺さりました。
その瞬間、ぎりちゃんの心の中の、見えない鉛の塊のような重しが、溶けてなくなったような気がしました。

 
<前日 6月24日の夜>
ぎりちゃんは、一緒にスピーチコンテストに出場する「いっちー」とともに、施設の食堂に職員の皆さんと後輩たちを集め、スピーチのリハーサルを行いました。
書き上げて、練習してきたスピーチの仕上げとして、ぎりちゃんは力強く語りました。
そして、スピーチ終盤。
原稿にないことをぎりちゃんは語り始めました。
それは、今まで育ててくれた施設の職員の皆さんへの感謝の言葉。
T先生へのメッセージのパートを、施設の職員の皆さんへのメッセージに差し替えたのです。
スピーチの本番原稿をまとめ上げる中で、時間と字数の関係で泣く泣く削った言葉を、彼女は届けるべき相手の前で、蘇らせました。
ぎりちゃんにとってカナエール2016のスピーチコンテストは、6月24,25日の2日間だったのです。
 
<再び 6月25日 四谷区民ホール>
スピーチを終え、舞台裏に引き上げるぎりちゃんと3人のエンパワメンバーの他にもう一人、泣き崩れている人がいました。
舞台袖で次の出番を待っていた「いっちー」。
同じ施設で過ごしてきた ぎりちゃんの親友であり、前日のリハーサル(本番1日目)をともに実行した、東京ブラックチームのカナエルンジャーです。
ふたりは前日のスピーチをお互いに聞かないようにしていたため、いっちーは、本番の自分の出番の直前に、ぎりちゃんのスピーチを舞台袖で聞くことになりました。そして、感動のあまり、泣き崩れてしまった。
幸いなことに、プログラム上、審査員のコメントが入るタイミングであったため、いっちーには、心を落ち着ける5分の猶予が与えられました。
いっちーもまた、素晴らしいスピーチを聴衆に届け、その姿を、ぎりちゃんは控え室のモニターで見守っていました。

 
これは、カナエール2016で起こった出来事の本当にごく一部にすぎません。
そして、スピーチコンテストが終了してからも、カナエールの体験は、関わった人それぞれに大きな影響を与えます。
 
その一人として、次回は僕自身のその後のストーリーを書きたいと思います。
カナエール2016エンパワメンバー 東京ブルー やまちゃん
 
カナエールボランティアの説明会は残り4回です。
やまちゃんが語ったカナエールのエピソードに興味を持った皆様、ご参加をお待ちしております。(実行委員:おちえ)
1月 5日(木) 19:30-21:30 東京大手町
1月 8日(日) 13:00-15:00 東京大手町
1月14日(土) 10:00-12:00 横浜
1月15日(日) 10:00-12:00 東京大手町
説明会への参加のお申し込みは、以下のボランティア募集ページをご覧ください。

いま、わたしにできること

あの時から、5年。
カナエールとの出会いは、継続サポーターをしている友人からスピーチコンテストへ誘われたことがきっかけでした。
学生時代に遊戯ボランティアで児童養護施設の子どもと関わっていてたわたしは、18歳の子たちがどんな夢を持っているのか興味があり、見に行くことにしました。
カナエールの仕組みもよくわからず出向き、会場で理解したことは、カナエルンジャー1人に3人の大人がチームを組んでコンテストに挑んだ、ということ。一緒に生活している人でもなく学校で会う人でもない、きっとスピーチコンテストに出るために初めて出会った4人が120日間、カナエルンジャーの夢について語る、スピーチという作品を作り上げること。
とっても面白そうだなと思いました。いつかわたしも「エンパワ」をやってみたいなと。
さらに読む

【手紙】「カナエールなんて面倒臭そう」-ここから始まった夢への一歩-

「今を境に人生が変わるかもしれない」
そう感じたことはありますか?

受験で合格したとき、就職が決まったとき、結婚したとき、出産をしたときなど、色んな場面で「人生が変わる経験」を一度はしたことがあるのではないでしょうか。

カナエールを通して、「人生が変わる経験」をした女の子がいます。
今年の6月に東京でスピーチをしたカナエルンジャーです。
彼女の未来と感謝をつづった手紙が届きました。

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「カナエールなんて面倒臭そう」

そんな風に思っていた私は自分が半年後にはエンパワーの皆さんと抱き合い、
嬉し涙を流すことになるとは思ってもみませんでした。

今年4月、私は大学に進学しました。高校2年生で施設に入所したために貯金はほとんどできず、
支援をしてくれるような親族もいない私が4年制の大学へ進学するためには奨学金の受給が不可欠でした。

カナエールは、私にとって進学資金を集める手段の1つ、それ以上でもそれ以下でもありませんでした。

大学生活が始まり、忙しい毎日の中でスピーチコンテストの準備なんて私にできるのか。
そう思いながら、事務局の方から送られた「カナエール2016」の日程表を眺めていました。

そんな私にエンジンがかかったのは3月に行われた合宿でのことでした。
膝の手術で1ヶ月ほど入院していたため、私が自分のエンパワーさんとゆっくりお話をしたのはその時が初めてでした。

グループワークやフラッグ創りをしながら、私はそれまでで一番、自分のことを話せました。
それは「この人たちなら大丈夫」という安心感を抱くことができたからです。

楽しかったこと、辛かったこと、自慢できること、そして今でも後悔していること、、、
今まで胸の内に秘めていたことを声に出すことで私は体が軽くなったように感じました。

コンテストまでの道のりは私1人で乗り越えなければいけないものではないことを実感した私は、
その日やっとカナエルンジャーとしての第一歩を踏み出しました。

学校、アルバイト、膝のリハビリ、そしてカナエール、これらの両立は大変で、同時にとても充実していました。
私が忙しくとも充実した日々を過ごすことができた大きな理由の一つは、やはりエンパワーさんの存在でした。

住んでいる場所の関係であまり頻繁には会えませんでしたが、
だからこそ私はその時間をより大切にでき、一日一日が濃密なものになりました。
エンパワーさんとの一時はとても楽しく、スピーチの原稿作りも苦に思ったことは一度もありませんでした。

私たちは生きていく中で様々な人と出会い、関係を築いていきます。
けれど例え同じ時間をすごしたとしても自分の考えや感情を相手に100%伝え、共有することはできません。

私はそのことをもどかしく、時に寂しく思いながらも、人間の多様性を生み出すといった意味での必然性も感じています。
コンテスト当日、ステージの上で私の破裂しそうな心臓の音を聞き、興奮がない混ぜになって体の底から震えと共にせり上がってくる感覚を私が共有できたのは自分自身だけでした。

でも私はたくさんの人たちが私を応援してくれているということに気がつくことができました。
右斜め後ろに座る3人のエンパワーさんの緊張と励ましが確かに伝わってきました。

私たちは自分の思いを100%相手に伝えられないからこそ、相手の気持ちを読み取ろうとし、自分自身を伝えるために最大限の努力ができるのだと思います。

私はあのステージで私の大切な人たちに、私を応援してくださる方々に私のことを伝えるために、ベストを尽くすことができました。それは決して私一人では成し得なかったことです。
スピーチを終えた私は、悔しさや悲しみからではない涙に少し戸惑いました。
達成感、喜びからくるいわゆる「嬉し泣き」をしたのは、初めてだったかもしれません。

カナエールのスピーチコンテストを経て、私は大きく成長しました。原稿作り、大勢の人の前でのスピーチ、これらの経験は必ず将来の糧になると思います。
けれど今、あの時のことを振り返りながら、あのステージ袖での緊張を懐かしむ自分もいます。

これから先、年月が経つにつれて、記憶は段々と薄れていきます。どんな人がいたか、自分が何をスピーチしたのか、そういう事柄は後からいくらでも確認できます。
でもその時自分が感じたことは一度忘れてしまうと中々戻ってこないものです。
エンパワーさんと過ごした時間、出会った人たちとの思い出、そしてコンテスト当日の緊張とその何倍もの達成感を私は自分の中に宝物として留めておきたい、そう思います。

応援者の皆様、私たちの夢を応援して下さり、本当にありがとうございます。

カナエール事務局の皆さん、エンパワーの皆さん、いつも私たちを見守ってくださっていること、とても嬉しくて安心できます。母と施設の職員さん以外にも信頼できる、私たちを大事に思ってくれる人はいるのだと知ることができました。

これからも自分たちの未来に向かって、私たちは歩き続けていきたいと思います。

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12月~1月にかけて、カナエール2017のボランティア説明会を実施いたします。
みなさまのご参加をお待ちしています。
12月4日(日)  13:00-15:00 東京大手町
12月7日(水)  19:30-21:30 東京大手町
12月22日(木) 19:30-21:30 横浜
1月5日(木)  19:30-21:30 東京大手町
1月8日(日)  13:00-15:00 東京大手町
1月14日(土) 10:00-12:00 横浜
1月15日(日) 10:00-12:00 東京大手町
ボランティア説明会への参加申し込みは、以下のボランティア募集ページをご覧ください。

彼らの後に続いて@テレビ東京系列"NEWSアンサー"カナエール特集

2015/12/25、テレビ東京系列”NEWSアンサー”でカナエールが特集されました。
番組公式サイトで、アーカイブ映像が見られます。
【「貧困」「虐待」それでも… 未来をあきらめない!】
http://www.tv-tokyo.co.jp/mv/newsanswer/life/post_103531/
 


 
映像に出てくる若者は、過去のカナエール夢スピーチコンテストに出場して、自分の夢をたくさんの人の前で宣言した。
そして、現在もその夢に向かって努力している。学校の卒業まで、カナエールの奨学金の支給を受け、継続して活動を続けるエンパワの応援を受け、夢に近づいている。
彼ら先輩に続いて、今年も若者たちがカナエール夢スピーチコンテストにチャレンジしている。
彼らの夢を応援しに来てください。
 
【カナエール2016夢スピーチコンテスト チケット発売中!】
お陰様で東京は残席わずかとなりました! お求めは以下のサイトからお願いいたします。
横浜会場 6月18日(土)神奈川公会堂(神奈川県横浜市)
http://canayell2016y.peatix.com
【完売間近!】東京会場 6月25日(土)四谷区民ホール(東京都新宿区)
http://canayell2016t.peatix.com
福岡会場 7月3日(日)黒崎ひびしんホール(福岡県北九州市)
http://eventon.jp/3305/

『どんな環境で生まれ育っても、夢と希望を持って笑顔で暮らせる社会に』

しなやかに、自分らしく生きる女性を応援するプラットフォームサイト「Rhythmoon(リズムーン) 」に、ブリッジフォースマイルの広報担当の植村がインタビューが掲載されています。
カナエールについても触れていますので、ぜひご一読ください。
http://www.rhythmoon.com/column/2015/12/post-1554.html
子どもの貧困、虐待のニュースは度々聞かれるようになりましたが、その受け皿となる「児童養護施設」の認知度はまだまだ高いとは言えません。
そこで生活している、または生活してきた子どもたちがどのような子どもたちなのか、ぜひご自分の目で、耳で感じてください。
「実際に彼らに会っていただくと、イメージはガラリと変わるかもしれません。」
 

【メディア掲載】Rhythmoon:未来へ紡ぐストーリー

しなやかに、自分らしく生きる女性を応援するプラットフォームサイト
Rhythmoon(リズムーン) 」にて、
ブリッジフォースマイルの広報担当の植村がインタビューを受けました。
『カナエール』についても触れています。ぜひご一読ください。