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クリエイターの楽しみ

私は過去に2回、カナエールボランティアでクリエイターを経験しました。カナエールボランティアの3つの役割の中で、クリエイター以外は経験無いですが、クリエイターは特殊な役割だと思います。
メンター、マネージャーと共に、カナエルンジャーの話しを聴き、自分たちの経験や意見を交換し、スピーチを作り上げていく事には変わりないのですが、それにプラス、カナエルンジャーを撮影し、動画を編集するという作業があります。
もちろん、クリエイターひとりで作るわけではなく、メンターやマネージャにカメラを持ってもらって撮影してもらったり、動画の構成や、ロケ地などのアイデアをもらったり、コメントをもらって修正したりして作り上げていきます。

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でも、編集作業だけは、クリエイターだけの仕事です。仕事というと辛いイメージを与えてしまうので、クリエイターの楽しみと言い換えましょう。

 

動画の編集はそれなりにテクニックが必要ですが、全くの動画作成素人でも立派な動画を作成させることができます。なぜなら、実行委員のクリエイターチームの存在があるからです。クリエイターチームには、動画撮影、動画編集のプロや、クリエイターを経験した先輩がいます。
クリエイターに対して、初期の頃には、数回の撮影講座、編集講座を開催して、テクニックを伝授します。lxt10401
途中には、進捗具合をクリエイターみんなで見せ合って、クリエイターチームからアドバイスもらえる勉強会も数回開催されます。編集ソフトウェアの使い方や、ファイルの保存の仕方などの質問にも丁寧に回答をもらえます。

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クリエイター同士のコミュニケーションは、かなり活発で、お互いにブラッシュアップし合いながら作業を進めることができます。

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それだけではありません。
クリエイターの最大の楽しみは、期間中、カナエルンジャーの表情を一番たくさん見ることができるという役得です。ほとんどの撮影が終わり、終盤は編集にかかり切りになります。カナエールボランティアの中では、一番多くの時間をカナエールに割く必要のあるクリエイターですが、その時間は、撮影してきたカナエルンジャーの様々な表情や声を見ながら聴きながらの作業であり、カナエルンジャーが愛おしくてたまらなくなります。
こんな素敵な表情をするカナエルンジャーを会場に来た人に見せてあげたい。うちのカナエルンジャーはこんなに頑張ってる素敵な子なんだっていうのを見せてあげたい。たった3分の映像ですが、カナエルンジャーへの愛情をたくさん込めることができます。

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最初は動画編集なんて難しそうだなと感じていたのに、最後にはこんな想いになって、時間も忘れて編集に没頭してしまう。そんな、特別な楽しみがあるのがクリエイターです。

 

スピーチ当日は、カナエルンジャーがスピーチするのと同じくらい緊張して、自分の作り上げた映像が上映されるのを舞台袖で見ることになります。

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そんな素敵なクリエイターをやってみませんか?
カナエールボランティア説明会は今週末に、あと2回しかありません。今からでも間に合いますので是非説明会に来て、クリエイターを希望してください。

1月14日(土) 10:00-12:00 横浜
1月15日(日) 10:00-12:00 東京大手町

説明会への参加のお申し込みは、以下のボランティア募集ページをご覧ください。

(実行委員:ゆき)

本年もよろしくお願い致します

児童養護施設や里親家庭など社会的養護の元で育った若者たちの進学を支援する奨学金プログラム「カナエール」。今年でプログラムは7年目を迎えます。今年も東京・横浜・福岡の3会場で7月にスピーチコンテストを開催します。(チケットは春頃発売予定です)

カナエールは、児童養護施設や里親家庭などから進学を志す若者たちを、大学・専門学校等の在学中(最長4年間)、資金(奨学金)と意欲(社会人ボランティアによる見守り)で支援するプログラムです。これまでの6年間にプログラムで支援をしてきた奨学生は100名を数えました。この春は、そのうちの16名が大学・専門学校等を卒業する予定です。

カナエールは奨学金サポーターや協賛企業、コンテストへのご来場者などたくさんの方々に支えられてきました。そして若者たちに120日間寄り添う社会人ボランティアとして毎年数十名の方々に参加いただいてきました。ただいま2017年度の参加者を募集しています。期間中、過去のボランティア参加者の声を当ブログで多数ご紹介していますのでぜひご覧になってください。

引き続き下記日程でボランティア説明会を開催しています。残り3回の開催となりました。たくさんの方のご参加をお待ちしております。

1月 8日(日) 13:00-15:00 東京大手町
1月14日(土) 10:00-12:00 横浜
1月15日(日) 10:00-12:00 東京大手町

説明会への参加のお申し込みは、以下のボランティア募集ページをご覧ください。

(実行委員 きゃね)

「叶える」

このブログは「号泣する準備はできていなかった」の後編です。

前編をご覧になってから読むことをお薦めします。
 

こんにちは。
カナエール2016エンパワメンバーのやまちゃんです。
今回は、カナエールを通じて起こった自分の変化について、書きます。

 

僕は、仕事をしながら、家族を養いながら、やれる範囲で、ライフワークとして音楽をやってきました。
楽曲制作やライブ活動をがんばったり、休止したりを繰り返しながら、不完全燃焼な日々を過ごしていました。
周りの友人にも胸を張って言えないような、プロフィールの「趣味」の欄に控えめに「バンド」と書くレベルの。

 

6月25日にカナエール東京が終わって、しばらく僕は、放心状態でした。
ぎりちゃんや同じチームのエンパワメンバーをはじめ、カナエールのみんなと過ごした120日間があまりにも眩しくて、ちょっとでも思い出すたびに、何度も涙がこみ上げて、仕事中もちょっと席を外したこともありました。
 

そんなある日、眠れない夜があって、僕はふと、カナエールで体験したことを歌詞に書いてみました。
驚きました。
あっという間に完成してしまった。
頭の中でぐるぐる回っていたカナエルンジャーみんなの言葉がとめどなく溢れ出して、歌詞になってくれました。
後で曲を書いて、「叶える」と曲名をつけて、完成したのは7月5日でした。
 

みんなの思い出を形に残すことができて、うれしかった。
 

カナエールの仲間に話したところ、7月24日のカナエール2016解散会で歌ってくれ、ということになりました。
準備をして、あっという間に当日が来て、カナエール2016に参加したカナエルンジャーとエンパワメンバーの前で、弾き語りをしました。
 

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みんな、とても喜んでくれました。
僕の歌を応援すると、言ってくれました。

児童養護施設の子どもたちを応援していたら、いつのまにか僕も、自分の人生を応援してもらっていました。

みんなに勇気をもらった僕は、情熱を取り戻し、ライブ活動を再開しました。
エンパワメンバーの仲間がライブに来てくれて、僕の歌を聴いて「元気になった」とか「癒された」とか言ってくれる。

 

人に喜んでもらえること。
人に応援してもらえること。
それがこんなにも幸せなことなのかと、
僕は知りました。

 

応援は、連鎖するのだと。

 

カナエール2017の参加について、僕は悩みました。
カナエールのおかげで取り戻した音楽活動に、できる限り時間をかけたいと思ったからです。
児童養護やその他の社会的に苦しい立場にいる人たちを応援する方法として、音楽活動を通じてできることもあるんじゃないか、みたいなことも考えました。
 

それでも、時間をかけて考え、様々な人と相談をした結果、僕は2017年もカナエールに参加することにしました。

もっと児童養護について知りたい、少しでも役に立ちたい、そういう思いはもちろんありますが、決め手は「人を応援する人たちの仲間でいたかったから」です。

応援の連鎖が起こる輪の中に身を置くことが、がんばる自分を支える基盤になってくれるだろうと思ったのです。

 

2017年も僕は、仕事も、音楽活動も、カナエールをはじめとしたボランティアも、もちろん家族のことも、全力でがんばっていきたいと思います。

 
このブログを読んでくださった人の中に、次の120日間を一緒に過ごす仲間がいるかもしれないと思うと、とてもワクワクします。

エンパワメンバーとして、一緒に活動できることを、楽しみにしています。

 
カナエール2016エンパワメンバー 東京ブルー やまちゃん こと
シンガーソングライター・ヤマカワタカヒロ

 
カナエールボランティアの説明会は残り4回です。応援の連鎖、一緒につくりませんか?
皆様のご参加をお待ちしております。
(実行委員:おちえ)
1月 5日(木) 19:30-21:30 東京大手町
1月 8日(日) 13:00-15:00 東京大手町
1月14日(土) 10:00-12:00 横浜
1月15日(日) 10:00-12:00 東京大手町
説明会への参加のお申し込みは、以下のボランティア募集ページをご覧ください。

「号泣する準備はできていなかった」

 
このブログはカナエール2016のエンパワ日記「笑顔への旅路」の続編です。

 
こちらをご覧になってから読むことをお薦めします。

 

「絶対4人で笑顔で舞台に立つ」

カナエール2016 東京ブルーチームの、その約束は果たされませんでした。

笑顔のままではいられないほどの体験が、そこにありました。

 

<6月25日 四谷区民ホール>

スピーチコンテスト当日。
スピーチをしている「ぎりちゃん」の右後ろで、僕は号泣してしまいました。
笑顔で見届けようと心に決めたのに、どれだけがんばっても、涙を抑えることはできませんでした。
人前で、あれだけ体を震わせて泣いたのは、中学時代のサッカー部の最後の試合に負けたとき以来じゃないかと思います。

 

壇上のぎりちゃんは、スピーチ序盤から感情が溢れ、マイクが必要ないくらいの力強い声で、自分の思いを語りました。
それは、スピーチというよりも「魂の叫び」と呼んだ方がふさわしいほど、心の底から、身体中を振り絞って、600人の聴衆に投げかけられました。
ぎりちゃんのスピーチは、自分を変えてくれた恩師、T先生へのメッセージで終わりを迎えます。
マイクを外し、全力の生声で発せられたその言葉は、T先生の胸に確かに刺さりました。
その瞬間、ぎりちゃんの心の中の、見えない鉛の塊のような重しが、溶けてなくなったような気がしました。

 
<前日 6月24日の夜>

ぎりちゃんは、一緒にスピーチコンテストに出場する「いっちー」とともに、施設の食堂に職員の皆さんと後輩たちを集め、スピーチのリハーサルを行いました。

書き上げて、練習してきたスピーチの仕上げとして、ぎりちゃんは力強く語りました。
そして、スピーチ終盤。
原稿にないことをぎりちゃんは語り始めました。

それは、今まで育ててくれた施設の職員の皆さんへの感謝の言葉。
T先生へのメッセージのパートを、施設の職員の皆さんへのメッセージに差し替えたのです。
スピーチの本番原稿をまとめ上げる中で、時間と字数の関係で泣く泣く削った言葉を、彼女は届けるべき相手の前で、蘇らせました。

ぎりちゃんにとってカナエール2016のスピーチコンテストは、6月24,25日の2日間だったのです。

 

<再び 6月25日 四谷区民ホール>

スピーチを終え、舞台裏に引き上げるぎりちゃんと3人のエンパワメンバーの他にもう一人、泣き崩れている人がいました。

舞台袖で次の出番を待っていた「いっちー」。

同じ施設で過ごしてきた ぎりちゃんの親友であり、前日のリハーサル(本番1日目)をともに実行した、東京ブラックチームのカナエルンジャーです。
ふたりは前日のスピーチをお互いに聞かないようにしていたため、いっちーは、本番の自分の出番の直前に、ぎりちゃんのスピーチを舞台袖で聞くことになりました。そして、感動のあまり、泣き崩れてしまった。

幸いなことに、プログラム上、審査員のコメントが入るタイミングであったため、いっちーには、心を落ち着ける5分の猶予が与えられました。

いっちーもまた、素晴らしいスピーチを聴衆に届け、その姿を、ぎりちゃんは控え室のモニターで見守っていました。

 

これは、カナエール2016で起こった出来事の本当にごく一部にすぎません。
そして、スピーチコンテストが終了してからも、カナエールの体験は、関わった人それぞれに大きな影響を与えます。

 
その一人として、次回は僕自身のその後のストーリーを書きたいと思います。

カナエール2016エンパワメンバー 東京ブルー やまちゃん

 

カナエールボランティアの説明会は残り4回です。
やまちゃんが語ったカナエールのエピソードに興味を持った皆様、ご参加をお待ちしております。(実行委員:おちえ)

1月 5日(木) 19:30-21:30 東京大手町
1月 8日(日) 13:00-15:00 東京大手町
1月14日(土) 10:00-12:00 横浜
1月15日(日) 10:00-12:00 東京大手町

説明会への参加のお申し込みは、以下のボランティア募集ページをご覧ください。

【カナエール2017】ある女の子との出会い

大学時代、1人の女の子との大切な出会いがありました。
その女の子との出会いが、のちにカナエールのエンパワをやるきっかけになりました。

私は大学時代、児童養護施設の子どもと関わるサークルに入っていました。
とは言え、もともと児童福祉に興味があったわけではなく、児童養護施設というものも知りませんでした。
入学当初にたまたま声をかけられ、「子どもと遊ぶ」というフレーズに惹かれて入ったサークルでした。

最初に児童養護施設を訪れる時、人見知りの私が持っていた不安は、
「児童養護施設の子どもたちってどんな子たちだろう?」ではなく、
「子どもたちは私と仲良くなってくれるだろうか?」でした。

そんな中で、最初に仲良くなったのがその女の子でした。
1人でも仲良くしてくれる子がいた!
そのことにとても安堵したのを覚えています。
ところが、その女の子は、高校を中退し、その児童養護施設からも退所することが決まっていました。
その後、どのように生活していくのか、本人から詳しい話を聞くことができませんでしたが、
場合によっては、夜の仕事をするようになってしまう子もいるとのこと。
サークルの先輩からそんな話を聞きました。
児童養護施設やその周りを取り巻く状況についてあまり詳しくなかったからこそ、
そして初めて仲良くなった子のことだったからこそ、
当時の私にとっては、そのことが強く印象に残ったのかもしれません。

大学を卒業してからは、児童養護施設の子どもたちと関わる機会がなくなってしまいましたが、
そこでの体験が私の中には色濃く残っていました。
そんな時に、大学時代のサークルの友人から紹介されたのが、
カナエールを運営しているブリッジフォースマイルでした。
「やってみたい…」
「でも、私にできるんだろうか…」
そんな葛藤がしばらくありました。
それでも、「やってみたい」に気持ちが傾いたのは、やらないと後悔する気がしたから。

一歩踏み出して、経験したエンパワ。
そこには大学時代同様、大切な出会いが待っていました。
どちらの出会いも、私にとってはかけがえのない宝物です。

あなたもそんな出会いをしてみませんか?
カナエール2017では、現在、社会人ボランティアを募集しています。
詳しくは説明会でお話しさせていただいております。
ぜひたくさんの方のご参加をお待ちしています。

12月 4日(日) 13:00-15:00 東京大手町
12月 7日(水) 19:30-21:30 東京大手町
12月22日(木) 19:30-21:30 横浜
1月 5日(木) 19:30-21:30 東京大手町
1月 8日(日) 13:00-15:00 東京大手町
1月14日(土) 10:00-12:00 横浜
1月15日(日) 10:00-12:00 東京大手町

説明会への参加のお申し込みは、以下のボランティア募集ページをご覧ください。

(実行委員:なかちゅん)

一番の応援者

5分間。このたった5分間に全ての想いをのせて伝えるために、120日間という時間を費やすのがカナエールです。そして同じ舞台上の特等席でスピーチを聴けるこの5分間が自分の何事にも代えがたい大好きな時間なんです。

 

私が最初にカナエールを知ったのは学生時代に児童相談所の一時保護所でアルバイト職員をしていた頃です。

「施設出身の子に対して意欲と資金の面でサポートします。ただし条件として自分の夢を数百人の前でスピーチしてもらいます。」

児童養護の世界では「苦しい環境の中で生きる子どもに無償の愛を」という考えがスタンダードとなっている風潮がある中で、対象の子どもにこんなにハードルが高いことを要求する支援活動があるなんて珍しいなと思ったのが第一印象でした。児童養護の現場に関わる中で支援の問題と限界について思いを巡らしていた当時の自分は、「本当にそんな活動が出来るのか?」という半信半疑な感情と「なんかよく分からないけど新しい取り組みで面白そうだな」という興味本位な考えを胸に、今の現場とは違った支援活動を体験できるんじゃないかと変な期待を持ってカナエールボランティアに参加してみることにしたのを覚えています。

 

それから気が付くと5回のカナエールを経験しました。当初は一時保護所のイメージが強く「どんなに対応が難しい子でも諦めずに一緒にいるぞ」と覚悟を決めて臨んでいたのですが、その予想とは裏腹にカナエルンジャーたちは良い意味で「普通な子」であり奇妙な肩透かしを喰らいました。好きな芸能人やドラマの話題で盛り上がり、お互いが披露する恥ずかしい失敗談を一緒になって笑い合い、学校の勉強やアルバイトで疲れたと愚痴をこぼす。そんな特別ではなく当たり前の交流が自然と出来て、今を生きる等身大の若者たちでした。「児童養護下の子ども」という自分の中で持っていた暗く重い偏見を一気に吹き飛ばしてくれた大切な出会いと経験です。

 

カナエールを通して学んだのは「子どもたちから大切なものを教えてくれる」ということです。

本番1週間前の練習では原稿を見ないで喋るのがやっとで、感情を込めたり抑揚をつけたりする上乗せの期待なんて出来なかった子が、本番では誰よりもしっかりと前を向き自分の想いを語っていたことに愕然としたことがあります。「この子はここまででいい。十分頑張ったじゃないか。」という私の勝手な妥協に対して「大人が限界を決めるな。私は出来る。」と全身で示してくれたように感じました。その輝く姿に一番感動していたのは同じ舞台の脇にいた私たちだったでしょう。

また違う年には、進行状況チェックの意味もある中間発表の場でさえプレッシャーでお腹を痛めてしまう子もいました。本番直前の舞台裏では緊張で震える手をチームの皆で手を重ね合い励ましなんとか舞台に立ちましたが、スピーチ出だしから言葉が詰まって出てきませんでした。後からその子に聞いた話ですが、実はスピーチをしようと前を向いた瞬間に一番このスピーチを聴いてもらいたい人が目に入ってしまったようです。何年間も会っていない、会場に来てくれるかも定かでなかった人がいると知って想いが溢れて言葉が出なかったのです。長い静寂を打ち破り始まったスピーチは最高の出来でした。直前に廊下で練習したものよりも何十倍も心に響く言葉たち。「誰かに想いを伝えることの素晴らしさ」を再認識した瞬間でした。

 

正直なところ、カナエールに出場するカナエルンジャーは児童養護の世界ではとても恵まれていると思います。それは環境であったり、タイミングであったり、才能であったり。高校卒業後に進学を志し、何人もの大人たちとコミュニケーションを取り、自分の心情を冷静に分析し、それを何百人もの人の前で発表する。一時保護所で関わっていた子を思い返すとそんなこと想像も出来ません。でも彼・彼女たちはそのことを承知でこの高いハードルを乗り越えようとします。これからの自分のため、今までお世話になった人のため、同じ境遇にいる未来の子どもたちのため、希望を持って大人になれるような社会を作るため。それぞれがメッセージを伝えたい相手を想い描き、夢を叶えるチャンスを掴み取ろうと胸に秘めスピーチに挑戦するからこそ、あの会場の熱量が生まれるのだと思います。そんな場がもっともっと拡がって欲しいと心から願います。

 

カナエールボランティアとして大人側に問われることは「応援することの意味」です。恐らく人生の中でも最大級のプレッシャーと闘うカナエルンジャーを前にして、自分は何が出来るのだろう、何をすべきなのだろうと考える瞬間が度々訪れます。その度に「自分はこの子を応援するに相応しいくらいに日々の生活の中で頑張っているんだろうか」と我が身を振り返ることがあります。カナエルンジャーを応援しようと試行錯誤することが、知らず知らずのうちに自分自身を成長させるきっかけに繋がっていくはずです。

 

共に120日間を過ごしたカナエルンジャーが本番の舞台でスピーチをする姿は本当に感動します。他の誰でもないその子だけに照らされたスポットライトの中で、その子を応援しようと集まってくれた温かい人たちの前で堂々と自分の夢を語っているのです。カナエルンジャーには沢山の大切な人の存在がいるのでしょう。だから「自分も彼・彼女たちにとってその大切な人たちの一人になった」と分不相応なことは望みません。ただあの5分間の時間の中だけは、カナエルンジャーにとっての「一番の応援者」でいたいと強く想います。

あなたもそんな「一番の応援者」になってみませんか?

次のカナエールボランティアでお会い出来ることを楽しみにしています。

(2012〜2016カナエールボランティア:さくらい)


現在、カナエール2017のボランティア説明会を実施しています。カナエールボランティアについて、まずは話を聞きに来ませんか?

みなさまのご参加をお待ちしています。
1月5日(木)  19:30-21:30 東京大手町
1月8日(日)  13:00-15:00 東京大手町
1月14日(土) 10:00-12:00 横浜
1月15日(日) 10:00-12:00 東京大手町

“自分はひとりじゃない” 若者の夢を応援する120日

親からの虐待や経済的事情により、家庭を離れて児童養護施設で暮らす子どもたちは全国でおよそ3万人。彼らの大学等への進学率は23%(全国平均71%)※1に過ぎず、また進学後の中退率は21%(全国平均の約3倍)※2にもなります。親を頼ることができない彼らは、学費と生活費を自分で用意しなければならず、進学できたとしても学業とアルバイトの両立に心身ともに疲れ切ってしまうのです。“カナエール”は児童養護施設を退所した後、専門学校や大学等へ進学する若者を支援する奨学金プログラムです。

希望格差の解消を目指して

児童養護施設退所者の進学を支援する動きが急速に広まっています。

文部科学省は日本で初めてとなる給付型奨学金を、平成30年度からの本格導入を前に来年度から一部先行して実施すると発表しました。低所得世帯の学生のうち特に経済的に厳しい学生が対象になります。児童養護施設などから進学する学生には入学時に24万円を支給することも決定しました。

また、厚生労働省は児童養護施設の若者の自立支援の取り組みとして、これまで原則18歳までとされていた施設で暮らせる期間を22歳まで延長する方針を出し、来年度の予算を取得しています。

このような公的な制度が充実していくことにより、経済的な理由で進学を諦める若者が少なくなることを願ってやみません。

カナエールは資金と“意欲”でサポートします

カナエールは毎月3万円の給付型奨学金による「資金」の支援に加え、社会人ボランティアによる「意欲」のサポートも行っています。

児童養護施設で生活する子どもたちは、親からの虐待や家庭環境に恵まれなかった経験から、自己肯定感が低い子が少なくないと言われています。自分が施設出身であることを人に知られたくないと思っている子もいます。前向きに人生の目標を持つことが困難な背景は、経済的な理由だけではありません。

昨年のコンテストに出場した高校三年生の女の子の言葉を紹介します。

 

自分はひとりじゃない

私は始め、カナエールに参加することに対して抵抗がありました。自分の思っていることを人前で堂々と話したことが無かったし、話したいとも思っていなかったからです。スピーチの中でも述べましたが、私は児童養護施設にいることを人に話したくないのです。

ですが、かたくなにそう思っていたのはカナエールに参加する前までです。一緒に過ごしたルンジャー(他のコンテスト出場者)やエンパワ(社会人ボランティア)の方々は誰も私を「施設の子」扱いしなかったので、一緒にいるときとても楽でした。また私の様な年齢の人が沢山いて、いろんな考えが聞けました。そして自分はひとりじゃないのだと元気づけられました。

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カナエールに参加する若者(“カナエルンジャー”と呼んでいます)は、3人の社会人ボランティアと4人一組のチームを組み、スピーチコンテストというゴールを目指して120日間のチーム活動をします。

子どもも大人もお互い知らないもの同士の関係から始まります。合宿でのチームビルディングに始まり、原稿作りやスピーチトレーニング、奨学生が目指す職業に就く大人への”仕事人インタビュー”や、コンテストで上映する紹介映像作りなどにチームで取り組みます。観客の心に届くスピーチを作り上げるために、子どもたちは自分の夢を見つめなおし、何度も書き直しながら原稿を仕上げていきます。時には自らの過去の辛い経験と向き合うことも必要になります。そんな彼らを傍で支えるためには、大人たちも自分をさらけ出さなければなりません。大人も子どももとことん本気で向き合うで、だんだんとお互いを信頼するチームになっていきます。

最高のスピーチを作り上げ、子どもを無事コンテストの舞台に送り出そうと、必死になる大人たち。そんな、家族でも先生でもない、でも自分のために一生懸命な大人たちの関わりが、彼らの自己肯定感と夢への意欲を高めていきます。

私の考えは本当にひねくれていて、(コンテスト会場で)聞きいれてくれた方々にどう思われるか不安もありました。でもそんな不安は無駄でした。コンテストが終わった後、たくさんの方にメッセージをもらい、その内容は全て私の背中を押してくれるものでした。、あのメッセージカードは私がこれからの人生でつまずいた時、折れそうになった時、読み返したいと思います。本当にありがとうございます。

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数百人の観客の前で夢をスピーチするという大きな目標を成し遂げること、そしてたくさんの応援者の存在を感じることが、彼らが困難を乗り越え夢を叶えていくための力になります。子どもを家庭だけでなく、社会全体で育てるためのひとつの形がここにあります。

カナエールには120日間のチーム活動が終わったあとも、奨学生が大学、専門学校等を卒業するまで継続して支援をするプログラムもあります。現在、2017年度のボランティアを募集しています。あなたも彼らを支える大人のひとりになってみませんか。

(実行委員 きゃね)

※1 厚生労働省「社会的養護の現状について」2015年調べ

※2 NPO法人ブリッジフォースマイル2015年調べ

「カナエール」のお兄さんお姉さんに

カナエールボランティアは3人1組で、1人のカナエルンジャーと一緒にスピーチを作っていきます。
カナエルンジャーと出会ってからスピーチコンテストまで、その120日間で、カナエルンジャーの夢はもちろん、カナエールボランティアも自分の夢に向き合い、それを共有し、自分の人生にも大小の影響を与えます。

カナエールスピーチコンテストでスピーチが終わってからも、カナエルンジャーが卒業まで見守っていくことができます。
自分たちが担当したカナエルンジャーはもちろん、他のチームのカナエルンジャーたちも。卒業するまでも、卒業してからも。
カナエルンジャーが学校やアルバイトなどでの出来事を聞いて、みんなで共有して一喜一憂できます。

親戚の子が何人も増えたように、お節介が焼けるおじちゃん、おばちゃん(自分たちは、お兄さん、お姉さんと思ってますが)になれます。
彼らの頑張りやその結果の事を聞くと、とても誇らしい気持ちになれます。
素晴らしい経験です。
そんなお節介を焼けるお兄さん、お姉さんになってみませんか。

(実行委員:ゆき)

 


現在、カナエール2017のボランティア説明会を実施しています。カナエールボランティアについて、まずは話を聞きに来ませんか?

 

みなさまのご参加をお待ちしています。
12月22日(木) 19:30-21:30 横浜
1月5日(木)  19:30-21:30 東京大手町
1月8日(日)  13:00-15:00 東京大手町
1月14日(土) 10:00-12:00 横浜
1月15日(日) 10:00-12:00 東京大手町

カナエール “暇だったから”を きっかけに

初めまして。Waddy(ワディー)と申します。普段は都内の企業に勤め、建築関係の仕事をしています。
カナエールに参加してまだ1年目。周りには立ち上げ当初から継続的に携わっている人もいて、自分なんかはまだまだヒヨッコです。

僕がカナエールというボランティアに参加するキッカケは、大変申し訳ないんですが、”暇だったから”なんです。ちょっと驚かれる方もいるかもしれませんが本当なんです。
(もともと社会的擁護に、特段強い興味関心があったわけでもなく、新聞やTVで報道される事件に触れるたび、「なんか、そういう大変な問題があるよね…」と少しだけ心を痛める程度でした)

カナエールに出会う前は、仕事の関係で一級建築士になるべく勉強を重ねていました。平日は会社に通い、休日は資格取得のため予備校へ通学。そんな生活が4年ぐらい続きました。そして2015年には念願が叶い、試験に合格。
ただ、試験に合格したものの、これまでの生活では土日の過半を試験勉強に費やしていたので、突然まとまった空き時間が出来たことに戸惑いました。もちろん、友人と遊んだり、好きなアーティスト(GLAY)のライブに行ったり、旅行を楽しんだりすることに思い切り時間を使いますが、それでも時間がぽっかりと空いてしまったのです。じゃあ、新たに違う資格の勉強でもはじめようかといっても、そういう気にもなれず、「これはヤバい。暇だ」と。

そんな矢先、何気なくFacebookを見ていたら、知人の誰かがカナエールのサイトに”いいね”をしていたのが目に留まり、それが最初の出会いとなりました。2015年の終わりが見えた頃の話です。

「カナエール」ってなんだかふざけたネーミングだなと思い、かなり懐疑的な目でサイトを検索してみました。
自分たちが解決したい問題に対して、寄付や公的な援助だけに頼るのではなく、スピーチコンテストを主催して、入場料という形で自分たちでお金を調達し、それを進学に困っている子供たちに分配する。なんとも良くできた仕組みだなあと。最初感じたネーミングのふざけた感に対して、その裏で緻密に構築されている仕組みとのギャップに驚き、「え、何これ⁉ちょっと中身を覗いてみよう」と興味本位で説明会に参加したのが、2016年1月。カナエール2016の最後の説明会でした。

説明会に参加した時点で、自分にとっては初めてのボランティア、そして初めてのNPO。なんか口車に乗せられて怪しい布団とか買わされたりするのではないかと強い警戒心を持っていましたが、説明会で話を聞いていくと、少しずつそういった心配が溶けていきました。

18歳の子供と大人3人がチームを組んでスピーチコンテストを目指す。大人側に求められるのは、原稿づくりのサポートとスケジュール管理、動画作成の3つ。学生時代、大学受験の予備校でアルバイトしていたこともあり、高校生とのコミュニケーションとかスピーチ原稿作りのお手伝いとかは何とかなるだろうなと活動に興味が芽生えました。

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ただ、その一方で、お金の都合で希望の進路を諦めないといけないという現状に対して、何とも言えないモヤモヤした感情が自分の中に沸いていることに気づきました。自分のことを顧みると、幸いなことにお金のことに苦労することはなかったものの、大学に進学してからも自分のやりたいことに自信が持てず、会社に入ってから色々な仕事をやらせてもらって、ようやく「建築の道」を歩きたいと思った自分からすると、18歳で自分の道を決めて、悩む時間すら十分に与えられないというのは、なんとも酷な話だなと思ったこと覚えています。

そういった、プラスな気持ちと、マイナスな気持ちの両面を抱えつつ、どうせ暇な時間を費やすなら、こういった社会的な問題に取り組むのもアリかなと軽い気持ちで参加したのがきっかけです。

そして、カナエールのスピーチコンテストを終えた後、気が付けば、他のプログラムにも巻き込まれて、仕事とプライベートとのバランスを取りながら、ボランティア活動を通してNPOのお手伝いをするようになりました。
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ボランティアをやってみて良かったなと思うことは、今まで自分が所属してきたコミュニティとは違う人たちと一緒にプログラムを回す中で、自分の伸び代を感じるとともに、日々の生活ではあり得ない出会いや気づきが多くあることです。僕がこれからも「建築の道」を歩むにしても、「違う道」を少し覗いてみることで、日々の仕事やプライベートがより充実するのではないかと思っています。せっかくやり始めたボランティアなのですから、これからも細く長く、継続的に携わっていけることを願っています。

もし、僕の記事を読んで、ボランティアに少しでも興味が出てきたら、気軽に説明会に行ってみてください。怪しい布団とかは買えないのですが、熱い気持ちを持ったメンバーが待ってくれているはずです。ぜひ!

(レポート:2016カナエールエンパワ Waddy)


12月~1月にかけて、カナエール2017のボランティア説明会を実施いたします。

みなさまのご参加をお待ちしています。
12月4日(日)  13:00-15:00 東京大手町
12月7日(水)  19:30-21:30 東京大手町
12月22日(木) 19:30-21:30 横浜
1月5日(木)  19:30-21:30 東京大手町
1月8日(日)  13:00-15:00 東京大手町
1月14日(土) 10:00-12:00 横浜
1月15日(日) 10:00-12:00 東京大手町

カナエールで自分の人生が変わった学生のお話

わたしがカナエールのボランティアにはじめて参加したときは、まだ「学生」で、「児童養護」とは無縁の生活を送っていました。

ボランティアのほとんどが「社会人」という中で、「大人」でもない、「子ども」でもない、ちょうど間に挟まれた「ただの学生」だった私から見た「カナエール」についてお話します。

  • 自分の考えが、「伝わる」経験

社会に出る前に、大人を相手に自分のことが「伝わった」経験はどれほどあったのでしょうか?アルバイト先や、学校の先生など時間をかけて互いを知っていた大人は何人もいても、私はどこか大人に対して距離をとっており、そのような経験はほとんどありませんでした。

カナエールが終わった次の春に社会人となり、まもなく2年目を終えようとしている今でも、「自分の思いが相手に伝わる」難しさを痛感しています。意図している通りに、相手に伝わっていなかったり、自分の思いが相手に響いていなかったり、悪戦苦闘の毎日です。

18歳前後のまだ社会に出ていない「子どもたち」が、スピーチ当日500人を超える観客に対して、自分の夢が「伝わる」のはなぜなのか。私は、ボランティアの大人たちとチーム4人で過ごす120日間があってこそだと思います。最初は、「どこか自分の本心を隠した」、言葉を選ばずに言えば「とりあえず書いた」スピーチだったものが、3人の大人に対して「自分の考えを伝える→理解してもらう」というサイクルを120日間繰り返していくことで、500人に伝わるスピーチが出来上がっていったのだと思います。

カナエールの「大人たち」のすごいところは、「これでもか!」というくらい「なんでそう思ったの?」を繰り返し、相手に興味を持っていることだと思います。正直、初対面の大人たちが出会ってすぐに距離を詰めてきて…子どもたちの中には、最初は「うっとうしい」と思う子もいるんじゃないでしょうか。でも、社会の一線で活躍している大人たちから「腹落ちしない」と言われ続けながら、ある瞬間に「それだ!」と言われる経験って、まだ社会に出ていない子どもたちにとっては、とても自信につながることではないかと思います。

 

  • 頑張る子どもたちを見て

一方で、大人たちも「もがきながらも頑張る子どもたち」を見て、心を動かされます。私自身も120日間でどんどん成長していく子どもたちを目の当たりにして、これまでの価値観を変えられた大人の一人です。カナエールと並行して就職活動をしていた私は、「子供たちに恥ずかしくない大人になりたい」と思うようになり、最終的に「自分が成長できる環境」だと感じた今の会社に新卒で入社しました。

 

「カナエール」は本当に面白いプログラムだと思います。学生だったあのときに出会ってなかったら、私の人生も、もっと違うものになっていたかもしれません。

もし興味があったら説明会を実施しているので、少し顔を出してみてください。ボランティアに参加したら、120日後の自分の人生に少しだけ変化が起こるかもしれません。

 

実行委員: えるも



12月4日(日)  13:00-15:00 東京大手町
12月7日(水)  19:30-21:30 東京大手町
12月22日(木) 19:30-21:30 横浜
1月5日(木)  19:30-21:30 東京大手町
1月8日(日)  13:00-15:00 東京大手町
1月14日(土) 10:00-12:00 横浜
1月15日(日) 10:00-12:00 東京大手町