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一番の応援者

5分間。このたった5分間に全ての想いをのせて伝えるために、120日間という時間を費やすのがカナエールです。そして同じ舞台上の特等席でスピーチを聴けるこの5分間が自分の何事にも代えがたい大好きな時間なんです。
 
私が最初にカナエールを知ったのは学生時代に児童相談所の一時保護所でアルバイト職員をしていた頃です。
「施設出身の子に対して意欲と資金の面でサポートします。ただし条件として自分の夢を数百人の前でスピーチしてもらいます。」
児童養護の世界では「苦しい環境の中で生きる子どもに無償の愛を」という考えがスタンダードとなっている風潮がある中で、対象の子どもにこんなにハードルが高いことを要求する支援活動があるなんて珍しいなと思ったのが第一印象でした。児童養護の現場に関わる中で支援の問題と限界について思いを巡らしていた当時の自分は、「本当にそんな活動が出来るのか?」という半信半疑な感情と「なんかよく分からないけど新しい取り組みで面白そうだな」という興味本位な考えを胸に、今の現場とは違った支援活動を体験できるんじゃないかと変な期待を持ってカナエールボランティアに参加してみることにしたのを覚えています。
 
それから気が付くと5回のカナエールを経験しました。当初は一時保護所のイメージが強く「どんなに対応が難しい子でも諦めずに一緒にいるぞ」と覚悟を決めて臨んでいたのですが、その予想とは裏腹にカナエルンジャーたちは良い意味で「普通な子」であり奇妙な肩透かしを喰らいました。好きな芸能人やドラマの話題で盛り上がり、お互いが披露する恥ずかしい失敗談を一緒になって笑い合い、学校の勉強やアルバイトで疲れたと愚痴をこぼす。そんな特別ではなく当たり前の交流が自然と出来て、今を生きる等身大の若者たちでした。「児童養護下の子ども」という自分の中で持っていた暗く重い偏見を一気に吹き飛ばしてくれた大切な出会いと経験です。
 
カナエールを通して学んだのは「子どもたちから大切なものを教えてくれる」ということです。
本番1週間前の練習では原稿を見ないで喋るのがやっとで、感情を込めたり抑揚をつけたりする上乗せの期待なんて出来なかった子が、本番では誰よりもしっかりと前を向き自分の想いを語っていたことに愕然としたことがあります。「この子はここまででいい。十分頑張ったじゃないか。」という私の勝手な妥協に対して「大人が限界を決めるな。私は出来る。」と全身で示してくれたように感じました。その輝く姿に一番感動していたのは同じ舞台の脇にいた私たちだったでしょう。
また違う年には、進行状況チェックの意味もある中間発表の場でさえプレッシャーでお腹を痛めてしまう子もいました。本番直前の舞台裏では緊張で震える手をチームの皆で手を重ね合い励ましなんとか舞台に立ちましたが、スピーチ出だしから言葉が詰まって出てきませんでした。後からその子に聞いた話ですが、実はスピーチをしようと前を向いた瞬間に一番このスピーチを聴いてもらいたい人が目に入ってしまったようです。何年間も会っていない、会場に来てくれるかも定かでなかった人がいると知って想いが溢れて言葉が出なかったのです。長い静寂を打ち破り始まったスピーチは最高の出来でした。直前に廊下で練習したものよりも何十倍も心に響く言葉たち。「誰かに想いを伝えることの素晴らしさ」を再認識した瞬間でした。
 
正直なところ、カナエールに出場するカナエルンジャーは児童養護の世界ではとても恵まれていると思います。それは環境であったり、タイミングであったり、才能であったり。高校卒業後に進学を志し、何人もの大人たちとコミュニケーションを取り、自分の心情を冷静に分析し、それを何百人もの人の前で発表する。一時保護所で関わっていた子を思い返すとそんなこと想像も出来ません。でも彼・彼女たちはそのことを承知でこの高いハードルを乗り越えようとします。これからの自分のため、今までお世話になった人のため、同じ境遇にいる未来の子どもたちのため、希望を持って大人になれるような社会を作るため。それぞれがメッセージを伝えたい相手を想い描き、夢を叶えるチャンスを掴み取ろうと胸に秘めスピーチに挑戦するからこそ、あの会場の熱量が生まれるのだと思います。そんな場がもっともっと拡がって欲しいと心から願います。
 
カナエールボランティアとして大人側に問われることは「応援することの意味」です。恐らく人生の中でも最大級のプレッシャーと闘うカナエルンジャーを前にして、自分は何が出来るのだろう、何をすべきなのだろうと考える瞬間が度々訪れます。その度に「自分はこの子を応援するに相応しいくらいに日々の生活の中で頑張っているんだろうか」と我が身を振り返ることがあります。カナエルンジャーを応援しようと試行錯誤することが、知らず知らずのうちに自分自身を成長させるきっかけに繋がっていくはずです。
 
共に120日間を過ごしたカナエルンジャーが本番の舞台でスピーチをする姿は本当に感動します。他の誰でもないその子だけに照らされたスポットライトの中で、その子を応援しようと集まってくれた温かい人たちの前で堂々と自分の夢を語っているのです。カナエルンジャーには沢山の大切な人の存在がいるのでしょう。だから「自分も彼・彼女たちにとってその大切な人たちの一人になった」と分不相応なことは望みません。ただあの5分間の時間の中だけは、カナエルンジャーにとっての「一番の応援者」でいたいと強く想います。
あなたもそんな「一番の応援者」になってみませんか?
次のカナエールボランティアでお会い出来ることを楽しみにしています。
(2012〜2016カナエールボランティア:さくらい)


現在、カナエール2017のボランティア説明会を実施しています。カナエールボランティアについて、まずは話を聞きに来ませんか?
みなさまのご参加をお待ちしています。
1月5日(木)  19:30-21:30 東京大手町
1月8日(日)  13:00-15:00 東京大手町
1月14日(土) 10:00-12:00 横浜
1月15日(日) 10:00-12:00 東京大手町

「カナエール」のお兄さんお姉さんに

カナエールボランティアは3人1組で、1人のカナエルンジャーと一緒にスピーチを作っていきます。
カナエルンジャーと出会ってからスピーチコンテストまで、その120日間で、カナエルンジャーの夢はもちろん、カナエールボランティアも自分の夢に向き合い、それを共有し、自分の人生にも大小の影響を与えます。
カナエールスピーチコンテストでスピーチが終わってからも、カナエルンジャーが卒業まで見守っていくことができます。
自分たちが担当したカナエルンジャーはもちろん、他のチームのカナエルンジャーたちも。卒業するまでも、卒業してからも。
カナエルンジャーが学校やアルバイトなどでの出来事を聞いて、みんなで共有して一喜一憂できます。
親戚の子が何人も増えたように、お節介が焼けるおじちゃん、おばちゃん(自分たちは、お兄さん、お姉さんと思ってますが)になれます。
彼らの頑張りやその結果の事を聞くと、とても誇らしい気持ちになれます。
素晴らしい経験です。
そんなお節介を焼けるお兄さん、お姉さんになってみませんか。
(実行委員:ゆき)
 


現在、カナエール2017のボランティア説明会を実施しています。カナエールボランティアについて、まずは話を聞きに来ませんか?
 
みなさまのご参加をお待ちしています。
12月22日(木) 19:30-21:30 横浜
1月5日(木)  19:30-21:30 東京大手町
1月8日(日)  13:00-15:00 東京大手町
1月14日(土) 10:00-12:00 横浜
1月15日(日) 10:00-12:00 東京大手町

「一生孤独で過ごすつもりだった」-ボランティア代表を経験して変わったこと-

今年の6月25日、四谷区民ホールでカナエール2016東京を開催しました。
カナエルンジャーのスピーチが終わり、コンテストの終盤に差し掛かった頃、ボランティア代表として自分の想いを会場の皆様にお話しさせていただきました。

「最後にみなさんへメッセージがあります。 生まれの不平等は誰にでもあります。」
「実際、僕がそうでした。 高校の頃、母親が失踪し、借金で進学に苦労した過去があります。」

このフレーズ、覚えていますか?
カナエールの120日間、そして東京ボランティアを経て私自身がどう変わっていったのか、ブログに書かせていただきました。
 
一生孤独で過ごすつもりだった。
高校2年生(当時17歳)の秋、母親が失踪しました。
期末テストの最中、数日間かけて探し回りましたが、見つけることはできませんでした。
それからの日々は、昨日まで当たり前にあった日常がめまぐるしく変化していきました。
それは今でも鮮明に覚えています。
味わったことのない失望感。これからどうするべきかという不安。
「もう誰にも頼れない。自立しないと。一人で生きていけるようにしないと。気持ちを強くもたないと。」
あの頃を振り返ると、とても漠然とした決心だなぁと思います。
でもその頃の決心から、心のどこかにある孤独感と過ごすようになりました。
 
カナエールとの出会い。心から信頼できる仲間と出会えた。
カナエールのボランティアに参加することになったのは偶然でした。
社会人2年目になった頃、会社の取引先の方からのお誘いです。
「今週末に2015年度カナエールのクリエイター担当の打ち上げがあるんですが来ませんか?」
あまりに唐突なお誘いでしたが、以前から2回ほどカナエール横浜を観たことがあり、ボランティアに興味があったため参加をしました。
 
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いざ参加してみると、そこには裏表のなく接してくれる大人たち。
初対面だったこともあり、「大丈夫かな?」と思う気持ちと少しの胡散臭さは感じましたが、
自分が作った映像のことをあまりにも楽しく話すボランティアの方々がとにかく暖かかったです。
「この人たちは何だか安心できる。」
なんとなく感じた安心感にホッとし、その時少しだけ孤独感から抜け出すことができました。
 
私はこの打ち上げの場で、2016年度カナエールのボランティアとして参加することを決意し、現在に至ります。
「もしお誘いがなかったら」と考えると、この偶然の連続に感謝の気持ちでいっぱいです。
その時出会ったみんなは、今では心から信頼できる仲間になりました。
 
社会全体を「家族」として考える。

「自分だけでどうにもならないことは、みんな で補っていけばいい。」
「エンパワもいるし、会場のお客さんもいる。 社会みんなで助け合っていけばいいと思っています。」

このフレーズは私がスピーチでお話ししたことです。
そして、ずっと孤独感と過ごしてきた自分がカナエールに参加して気がついたことです。
 
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私はカナエールの120日間を「家族づくり」だと思っています。
社会的養護を受けている子どもたちは、18歳になったら自立して生きていかなければいけません。
しかしながら、誰の力も借りずに生きていくことはできません。
だから「寄り添ってあげる」大人の存在が必要です。
それは、家族が何のスキルも必要なく一緒に生活をしているように、
「見守っててくれる大人がいるんだ」ということが伝わればいいと思っています。
 
子どもたちのために、もっとたくさんの大人の力が必要です。
 
2017年度のボランティア一緒にやってみませんか?
7年目を迎えるカナエール。来年もスピーチコンテストを6月に東京、7月に横浜、福岡で開催いたします。現在、コンテストに出場する若者たちをサポートする社会人ボランティアを募集しています。
説明会を下記日程で実施します。昨年度のボランティア経験者も参加しますので、活動についての感想なども直接ご質問いただけます。たくさんの方のご参加をお待ちしています。
12月4日(日)  13:00-15:00 東京大手町
12月7日(水)  19:30-21:30 東京大手町
12月22日(木) 19:30-21:30 横浜
1月5日(木)  19:30-21:30 東京大手町
1月8日(日)  13:00-15:00 東京大手町
1月14日(土) 10:00-12:00 横浜
1月15日(日) 10:00-12:00 東京大手町
説明会への参加のお申し込みは、以下のボランティア募集ページをご覧ください。
 
(レポート:実行委員 ダル)

【カナエール2017】元施設出身者から見たカナエールボランティア

カナエールボランティアのメンバーに、過去に児童養護施設・自立援助ホームで過ごした経験を持つメンバーがいます。
私も過去に児童福祉の養護を受けた者の一人です。
私が施設を退所後、大学に進学したのは今から9年前の2007年。
当時は、奨学金の選択肢が乏しく私が受けることができたのは「日本学生支援機構」の奨学金のみでした。
卒業して5年経った今でも毎月2万円の返済を続けています。
奨学金を受けていた学生時代もギリギリの生活。
卒業してから社会人2年目までは、頂けるお給料も高くはないため、苦しい生活が続きました。
生活も仕事も安定してきた頃、自分のような生い立ちの子どもたちに寄り添える支援ができないかと探し、
3年前に出会ったのが「カナエールボランティア」でした。


カナエール1年目の役割は、カナエルンジャーのスピーチ前に上映する動画制作担当のクリエイター。
ビデオカメラ越しに映る高校生カナエルンジャーが
「夢について」、「苦しい過去について」自分と向き合い、成長する姿を目の当たりにした時は、感動と達成感の気持ちでいっぱいになりました。
それと同時に、血のつながりもない、育った環境もまったく違うたくさんの大人たちが本気になって、カナエルンジャーと一緒に泣いたり笑ったりしている姿を見て、自分のことのように考えてくれる大人がそばにいて、応援してくれている光景を見て、私はとても羨ましい気持ちになりました。
 

なぜなら、施設を退所すると、苦しい時・悲しい時に話しを聞いてくれる親や頼れる親がいないため、一人で乗り越えなくてはいけないことが多いからです。
お金の支援も必要ですが、施設出身者や里親家庭の出身者には「信頼できる大人との継続的関係」が重要だと思います。
カナエールは奨学金の支援だけではなく、カナエルンジャーにとって大切な、人との繋がりも築けるプロジェクなので、私はカナエールボランティアを続けています。
私と一緒にカナエールボランティアをやりませんか。

(レポート:実行委員 ゆきまる)


12月~1月にかけて、カナエール2017のボランティア説明会を実施いたします。
みなさまのご参加をお待ちしています
12月4日(日)  13:00-15:00 東京大手町
12月7日(水)  19:30-21:30 東京大手町
12月22日(木) 19:30-21:30 横浜
1月5日(木)  19:30-21:30 東京大手町
1月8日(日)  13:00-15:00 東京大手町
1月14日(土) 10:00-12:00 横浜
1月15日(日) 10:00-12:00 東京大手町
ボランティア説明会への参加申し込みは、以下のボランティア募集ページをご覧ください。

【エンパワ日記】 学ぶ姿勢

いっちーは、カナエール東京ブラックのカナエルンジャーです。
いっちーと出会ってから約100日。直接会ったのは10日以下です。こんな短い期間ですが、限られた時間の中で、いっちーは精一杯カナエールの活動に参加し、自分の過去・現在・そして夢と向き合ってきました。
夜アルバイトが終わって21時過ぎに帰宅した後から夜遅くまで原稿作成・スピーチ練習に取り組むいっちー。他のカナエルンジャーの事前の発表スピーチを見たり、トレーニングチーム、ワークショップの講師の方々からアドバイスをいただくと、すぐにそこから自分のスピーチに活かせることはないかよく考えるいっちー。
カナエールで用意されている一つ一つの機会を当たり前と思わず、全てから何かを学び自分の糧にしてきました。こうやって100日の間にいっちーは、エンパワが驚くべきスピードで成長してきました。
東京ブラック2
 
私は以前、中高の教員をしていましたが、本当の意味での「学ぶ姿勢」をいっちーに改めて教えてもらったような気がします。 そんないっちーの持つ夢は保育士になること。ただ「子供が好きだから」「かわいいから」という理由でなりたいのではありません。子供にとって、親にとって保育士はどういう存在であるべきか、熱い信念を持ってこの夢と向き合っています。
スピーチコンテストまであと3週間。この熱い想いを一人でも多くの人に伝えるために、いっちーはこの3週間さらに走り続けます。

(東京ブラックマネージャー:いさっしー)

【応援メッセージ】夢を叶えたい彼らの思いに直接触れてみませんか。

カナエールスピーチコンテスト初年度の審査員長をつとめた
東北福祉大学 特任教授の草間吉夫さんから、応援メッセージをいただきました。


だれもが夢を叶えられることは、とても素晴らしい社会と言えます。
でも、それが叶わない青少年がこの国にはおります。社会的養護
で育つ子ども達です。
彼らの夢や思いを叶えることに関心がある方に、ぜひ聞いて頂きたい
イベントがあります。それがスピーチコンテストです。
横浜・東京・福岡で開催いたします。
夢を叶えたい彼らの思いに直接触れてみませんか。
夢を実現する思いとそれを支えたいを繋げるイベントが、夢スピーチコンテストです。
皆様のご来場をお待ち申し上げています。
皆様が踏み出した一歩が、彼らの確かな歩みの一歩に繋がります。

2016年6月1日  東北福祉大学 草間吉夫


チケット代は出場者の奨学金に充てられます。逆境を乗り越え未来に向かう、彼らの思いに、ぜひ会場で耳を傾けてください。客席に座るあなたの存在が、彼らの夢を叶える力になります。
横浜会場 6月18日(土)神奈川公会堂(神奈川県横浜市)
http://canayell2016y.peatix.com
東京会場 6月25日(土)四谷区民ホール(東京都新宿区)
☆☆☆東京会場完売しました☆☆☆
福岡会場 7月3日(日)黒崎ひびしんホール(福岡県北九州市)
http://eventon.jp/3305/

彼らの後に続いて@テレビ東京系列"NEWSアンサー"カナエール特集

2015/12/25、テレビ東京系列”NEWSアンサー”でカナエールが特集されました。
番組公式サイトで、アーカイブ映像が見られます。
【「貧困」「虐待」それでも… 未来をあきらめない!】
http://www.tv-tokyo.co.jp/mv/newsanswer/life/post_103531/
 


 
映像に出てくる若者は、過去のカナエール夢スピーチコンテストに出場して、自分の夢をたくさんの人の前で宣言した。
そして、現在もその夢に向かって努力している。学校の卒業まで、カナエールの奨学金の支給を受け、継続して活動を続けるエンパワの応援を受け、夢に近づいている。
彼ら先輩に続いて、今年も若者たちがカナエール夢スピーチコンテストにチャレンジしている。
彼らの夢を応援しに来てください。
 
【カナエール2016夢スピーチコンテスト チケット発売中!】
お陰様で東京は残席わずかとなりました! お求めは以下のサイトからお願いいたします。
横浜会場 6月18日(土)神奈川公会堂(神奈川県横浜市)
http://canayell2016y.peatix.com
【完売間近!】東京会場 6月25日(土)四谷区民ホール(東京都新宿区)
http://canayell2016t.peatix.com
福岡会場 7月3日(日)黒崎ひびしんホール(福岡県北九州市)
http://eventon.jp/3305/

「今」を伝えるスピーチ -奈良橋陽子さん、小雪さんとのワークショップ

カナエルンジャーたちにとって、とても貴重な出会いがありました。
キャスティングディレクターで演出家の奈良橋陽子さんと、女優の小雪さんとの出会いです。
カナエール2016シルバースポンサーでもあるブルガリ ジャパン株式会社様の取り組み(※)の一環として、お二人をお招きして、「表現」についての特別ワークショップを実施していただきました。
※今もっとも輝く女性たちとその取り組みを讃えて支援する「BVLGARI AVRORA AWARDS(ブルガリ アウローラ アワード)」
<カナエルンジャーのスピーチ:1回目>
ワークショップは、参加した16名のカナエルンジャーの「夢」に関するスピーチから始まりました。
たたでさえ、人前でスピーチをするのは緊張するものですが、奈良橋さんと小雪さんを目の前にして、さらに緊張の面持ちのカナエルンジャーたち。
そんなカナエルンジャーたちのスピーチに対して、まず、お二人が口にされたのは、スピーチの内容に関する称賛と、彼らの「今」を受け入れて、肯定してくださる言葉。そして、的確で具体的なアドバイス。
お二人からの愛情あふれる言葉に、カナエルンジャーたちは緊張の表情から一気に笑顔に!その場の雰囲気もとても和やかになりました。
◆奈良橋さん
「多くの人にアイコンタクトをしながらスピーチをするといいですよ。そうすると聞いている人からエネルギーをもらえます」
「人にどう見られるか、どう判断されるかではなく、その職業をどんなに大事に思っているかを伝えることが夢の実現につながります」
◆小雪さん
「緊張すると話すのが早くなってしまいがちですが、その早さは仇になります。伝えたいポイントこそゆっくり話すといいですよ」
「大変でも、頑張ったことは人生の柱になります。頑張ったからこそ見えてくるものがあります。辛いと思った時は、最初にどうしてそれをやりたいと思ったのかを思い起こすと道が開けてきます」

一人ひとりに丁寧にアドバイスをしてくださる奈良橋さんと小雪さん

一人ひとりに丁寧にアドバイスをしてくださる奈良橋さんと小雪さん


 
<各チームでのブラッシュアップ>
奈良橋さん、小雪さんからのアドバイスを受け、2回目のスピーチに向けて、各チームでスピーチの内容を練り直します。お二人も床に座っているカナエルンジャーと同じ目線になるよう腰をおとして、熱心にアドバイスをしてくださいました。
カナエルンジャーのスピーチ:2回目>
奈良橋さん、小雪さんからのアドバイスを受けて、いよいよ2回目のスピーチです。
ブラッシュアップの時間は15分ほどだったにもかかわらず、1回目のスピーチと比べて驚くほどの変化がありました。表情が明るくなり、目線は原稿でなく、聞いている人とアイコンタクトができるようになりました。
声は大きく出るようになり、原稿をただ「読む」のではなく、自分たちの言葉で語っていました。
原稿を全く見ずにスピーチをしたカナエルンジャーもいました。
スピーチ中に感極まって涙を浮かべるカナエルンジャーもいました。
何よりも、どのスピーチも「伝えたい」という気持ちが前へ前へ出ていたのが印象的でした。
1回目と比べものにならないくらい堂々としたスピーチでした

1回目と比べものにならないくらい堂々としたスピーチでした


奈良橋さんと小雪さんも真剣に聞き入ってくださいました

奈良橋さんと小雪さんも真剣に聞き入ってくださいました



<奈良橋さんと小雪さんからのメッセージ>

最後にお二人からカナエルンジャーにメッセージをいただきました。
◆奈良橋さん
「人は一瞬一瞬を生きています。その瞬間に感じたことをそのまま表現してください。あなたたちのスピーチは素晴らしいです。自信を持って、たくさんの気持ちを伝えてください」
◆小雪さん
「本番は予想以上に緊張して、スピーチの内容を忘れてしまうこともあるかもしれません。そんな時は、その時に思っていることを伝えてください。そのようなスピーチは観客に必ず伝わるし、感動を与えることができます。『今』を楽しんでください」
大切な言葉をたくさんいただきました

大切な言葉をたくさんいただきました


3時間という限られた時間でしたが、お二人から教わったのは、「表現」だけにとどまらない、「人としての在り方・生きる姿勢」とも言えるものでした。
スピーチコンテストまであと約1か月。
これからもカナエルンジャーたちのスピーチはどんどん進化していきます。
そんな彼らの「今」をぜひ見に来てください。

【事前発表会@横浜】ピンク、ホワイト

今回のレポートでは、最後の2チーム、横浜ピンクと横浜ホワイトを紹介します。
 

  • 横浜ピンク ジェイ

叶えたい夢は、児童養護施設の職員。優しく語りかけるように話すジェイ。
「自分のこれまで歩んできた道で感じたたくさんのことをみんなに届けたい」
そんな気持ちが強く伝わってきました。

スピーチを見守るエンパワ

スピーチを見守るエンパワ


 

  • 横浜ホワイト あぐぅ

叶えたい夢は、カフェを開くこと。笑顔がとってもチャーミングなあぐぅ。
1人1人に語りかけるように話している姿が印象的でした。

スピーチを見守るエンパワ

スピーチを見守るエンパワ


 
全員のスピーチが終わった後、株式会社フジテレビジョンCSR推進部の木幡さんから、ただ話すのではなく、「伝わるように伝える」気持ちで話すのが大事であるとお話がありました。そして、恒例の滑舌と発声のレクチャーです。エンパワや実行委員も一緒になって、楽しく声を出していました。
この事前発表会で、カナエルンジャーたちは、カナエルンジャー同士、他チームのエンパワや実行委員から、スピーチの感想やアドバイスのフィードバックをたくさんもらいました。とても刺激になったと思います。
横浜でのスピーチコンテストまで、あと約3週間。
残り少ない時間で、どれだけの進化を見せてくれるのか楽しみです。
彼らの「伝えたいこと」、ぜひご自分の目で、耳で、感じに来てください!!

【レポート:実行委員 ゆき・なかちゅん】

【事前発表会@横浜】ゴールド、グリーン、ブラック

前回のオレンジ、パープル、ブルーに引き続きスピーチをした3人を紹介します。

  • 横浜ゴールド キキ

叶えたい夢は、保育士。「話し方にリズム感がある」と褒められていたキキ。そのスピーチは、保育士を目指そうと思ったエピソードがたくさん散りばめられていました。保育士に対するキキの強い想いが伝わってきました。

スピーチを見守るエンパワ

スピーチを見守るエンパワ


 

  • 横浜グリーン なっさん

叶えたい夢は、美容師。自分の大切な人のことを想い、その人に届けるようにスピーチをしていたなっさん。スピーチ原稿を、自分の言葉として伝えるために、あとは練習あるのみ!

スピーチを見守るエンパワ

スピーチを見守るエンパワ


 

  • 横浜ブラック しょい

叶えたい夢は、外国語を学んで様々なものの見方を得たい。スピーチの表現力がピカイチだったしょい。マイクがなくても伝わるくらいのパワフルな声で、みんなを自分の世界に引き込んでいました。

スピーチを見守るエンパワ

スピーチを見守るエンパワ


 

スピーチが終わった後、「今日のスピーチはどうだった?」という問いに対して、今の自分の課題を口々にあげていたカナエルンジャーたち。本番でさらに良いスピーチをするために、彼らの挑戦はまだまだ続きます!

【レポート:実行委員 なかちゅん】