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7年分のありがとう。カナエール、最後の舞台。「この夢は、忘れない。」カナエール実行委員会より

カナエール、最後の開催、スタート前日になりました。

7月1日横浜、8日東京、9日福岡、カナエールは3都市で開催されます。

今年の準備は長かった(苦笑)。なんだか去年からずーっと、カナエールが続いていた感じがします。なんだか、ずーっと前からずーっとあったことのような気がします。終わることより、続いて来た、続けて来られた、そんな感覚の方が強い気がしています。これまで関わって来てくださった、たくさんの方々の顔が思い浮かびます。そして、今年の奨学生とそれをサポートする社会人ボランティアの顔も。

カナエール夢スピーチコンテスト、今年で終わります。

最後の開催で何を伝えたいか、それを今から5ヶ月ほど前、今年のメッセージを作る時に考えていました。

「ありがとう」ということです。

このプロジェクトはこれまで多くの方々のサポートなしには成し得ませんでした。コンテストに来場してくださった方々、継続サポーターとして寄付で支えてくださった方々、社会人ボランティアの面々、スポンサー企業、外部の賛同してくれる方々、団体、スペシャルアンバサダーを初めとする著名人の方々も、そして、カナエール実行委員会とNPO法人ブリッジフォースマイルのカナエール事務局。顔がすぐ思い浮かぶ人も、おそらくただの一度もお会いしたことがない方もおられます。様々な方々が様々な関わり方でサポートしてくださいました。

子どもたちを「資金」と「意欲」の両面からサポートしようという奨学金支援プログラムでしたが、結果、私たちも「資金」と「意欲」の両面からサポートいただいたおかげで、これまでやって来れた、そう思います。

だから、きちんとお礼をお伝えしたい。なるべくたくさんの人に集まっていただいて、子どもたちのスピーチを聴いてもらって、最後、大いに来場くださった方々に「ありがとう」を伝えたい。終わり方って、どうあるべきかと思うのですが、「ありがとう」なんだろう、そう思うんです。

プロジェクトとしてそうであるように、関わる色々な人、それぞれに「ありがとう」を伝えたい人いるんだと思うんです。

子どもたちから社会人ボランティアへの「ありがとう」。逆に、社会人ボランティアから子どもたちへの「ありがとう」。子どもたちがスピーチコンテストを終えてメッセージカードを受け取る時に「来てくれてありがとう」というのもあるだろうし、今日に至るまで関わる人たちの周囲の方々へ「広めてくれてありがとう」というのもありそうです。もしかしたら、来場くださった皆さんにも子どもたちのスピーチを聴いて「聴かせてくれてありがとう」と思ってもらえるかも知れません。

最後、たくさんの「ありがとう」があふれる会場になれば良いなと思っています。

そうやってその日経験したことを皆で確かめ合えば、子どもたちのスピーチも、会場の空気も、一緒に過ごした時間も、関わって来た人たちの顔も忘れないと思うんです。

「この夢は、忘れない。」

私たちの「ありがとうございました」も聴きに来てください。
開催を終えて、皆さんに笑顔で「ありがとうございました」を言えるのを、楽しみにしています。

カナエール実行委員会

「希望格差のない社会へ」カナエールと子どもたちの7年間、そして、最後の開催と、これから。

希望格差のない社会へ。
カナエールが7年間、実現を目指して来た社会の姿、Visionです。

希望ってなんでしょう。
夢、将来、憧れ。。。

格差ってなんでしょう。
ハンディキャップ、軋轢、壁。。。

児童養護施設を退所する子どもたちは、18歳で施設を出て、親を頼らず自分1人で生活していかなくてはなりません。「自立」を余儀なくされます。18歳の子どもが、社会という大海に、ボートに乗って漕ぎ出す、そこには「希望」そして「不安」がありそうです。「学ぶこと」「働くこと」「暮らすこと」「遊ぶこと」「人と関わること」そこにはたくさんの希望がありそうです。しかし、現実には「仕事と勉強両立していけるだろうか」「食べていけるだろうか」「自分一人で生活できるだろうか」「新しい環境に馴染めるだろうか」、不安もつきまといます。

これは誰しにもある希望であり、不安ではないかと思います。しかし、親を頼れず、しばしば過去に辛い経験をした時期を持ち、貯蓄や保険を十分に持たず、家庭という社会との接点と距離を置かざるを得なかった子どもたちにとっては、18歳の希望と不安、少し厳しいものになっているのも事実です。

夢を持てない。
将来設計ができない。
憧れを抱けない。

そういう状況に親を頼れない子どもたちがある時に、社会として、社会人として、何かできることはないか。カナエールというプロジェクト、そしてそこに関わる人たち、というのは、少なからず、そういう使命感を携えて、子どもたちに関わっているのだろうと思います。

カナエールは児童養護施設から進学を目指す子どもを応援する奨学金支援プログラムです。奨学生は、3人の社会人ボランティアとチームを組んで、120日間かけて、スピーチコンテストに挑戦します。多くの来場者の応援を受け、自分の夢をスピーチすることが彼らの未来へのモチベーションになります。7年間、東京・横浜・福岡で開催されて来ましたが、今年がスピーチコンテストの最後の開催になります。この最後の開催を通じて、皆さんに子どもたちをめぐる状況を、可能な限り知っていただきたいと考えています。

 

子どもたちの現状

子どもたちの現状を見てみましょう。カナエールの運営母体、NPO法人ブリッジフォースマイルによる調査によると、子どもたちの進学率は全国平均に比べ、かなり低い数字になっていることがわかります。「進学を選ばず、就職をする子どもたちが大多数」という現状が見て取れると思います。

施設から進学を選ぶ子どもたちが少ない理由として、学業と生活を両立させながら、学費や生活費を稼いでいくことが簡単ではないこと、また周囲に進学を選ぶ前例が少ないため、最初から諦めてしまうこと、施設側も先立つものが少ない中で、進学に強く背中を押せないことなどがあげられます。

カナエールの月々の奨学金3万円は、アルバイト37.5時間分に相当します(時給800円の場合)。私たちはこれを、睡眠、勉強、友達との時間を削ってアルバイトに励む奨学生への「時間のプレゼント」と呼んでいます。“時間のゆとり”は“心のゆとり”として、卒業までの生活を意欲面でも支えます。

次に子どもたちの退所後の状況を、時系列で見てみます。就学率の減少傾向が顕著です。進学率と中退率。児童養護施設で生活した子どもたちの大学等の進学率は26.5%。また、進学できても学業とアルバイトの両立は厳しく、経済的理由等により中退してしまう割合も26.5%と、全国平均の3倍近くにもなります。
※NPO法人ブリッジフォースマイル2016年調べ

困っている人への支援、というのはしばしば「対処」になりがちです。ただ、「予防」の充実で、未然に防げることも多いはず。一昨年末、日本財団が「子どもの貧困の社会的損失推計」を発表して話題になりました。メディアでも「子どもの貧困」という言葉がクローズアップされることが増えました。子どもたちへの奨学金支援も行政、民間、双方で広がりを見せています。一方で、奨学金支援だけでは足らない部分もあります。カナエールは子どもたちへの「資金」と「意欲」の両面からの支援をこれまで掲げて来ましたが、現状維持ではなく、進学率が高まり、中退率が下がるためには、今後ますます「意欲の支援」が重要になってくると考えています(奨学金支援プログラム「カナエール」終了について | NPO法人ブリッジフォースマイル)。

 

子どもたちとそれを支える大人たちの挑戦

子どもたちには乗り越えなければならない壁が存在します。

1つは環境のこと。親を頼れず、施設で過ごし、貯金や保険など担保になるものが少ない中、社会に出ていかなければいけないこと。
もう1つは自分のこと。自分の能力を認められた経験が少なかったり、自信、自己肯定感、社会経験など足りなかったり、自立のための力になること。

120日間のスピーチコンテストに向けた挑戦は、子どもたちを励まし、勇気づけ、支えてくれる存在を感じ、彼ら彼女らの夢をはぐぐむ力を養います。時には、思い通りにいかないことや、感情が溢れ出してしまうことや、ボタンの掛け違えに気づくこともあるけれど、経験ある大人たちと一緒に取り組むことが未来への力になります。

 

最後の開催、夢スピーチコンテスト

ここまで皆さんに子どもたちのことを知ってもらうため、書いて来ました。では、視点を変えてみましょう。少し考えてみてください。社会は子どもたちからどう見えているのでしょうか。

正解はわからないと言えるでしょう。ただ、これまでなかなか社会から見えづらくなっていた子どもたちの姿と同じく、子どもたちからもなかなか社会が見えづらくなっている、ということがあるのではないでしょうか。「子どもたちの可能性」と「社会にある希望」。双方が双方に見えづらくなっていた。ここにあるのが希望格差です。その希望格差の解消のための奨学金支援は子どもたちへの挑戦する機会の提供ですが、一方で、子どもたちと多くの大人たちと同じ場所と時間を共有する機会の提供がスピーチコンテストです。子どもたちが、一番たくさんの大人たちと関わる機会です。

以前、カナエールに参加した奨学生のスピーチにこんな一節がありました。

「大人になるのを楽しみにしていてください」

カナエールは参加した奨学生が、社会に出て後に続く子どもたちのロールモデルになって欲しい、そう願って来ました。ロールモデルになる、というのは、スーパースターになる、ということではありません。進学し社会に出た奨学生が、後に続く子どもたちの希望になること、きっとそれがカナエールのゴールなんだろうと思います。進学をし、就職をしても、人生は長い。スピーチコンテストの開催は2017年度を以って終了しますが、この7年間で生まれた希望は、希望の連鎖となって次の世代に伝わり広まり続けていって欲しい、そう思います。


 

希望格差のない社会へ

お気づきの方も多いと思います。希望格差のない社会へ、まだまだ道半ばです。もしかしたら、カナエールの7年間は、まだほんの入り口だったのかも知れません。お金のことはもとより、時間もかかる、もっと多くの人に関わってもらわないといけないし、よくよく理解していただくための啓発啓蒙も必要でしょう、セーフティネットが足りないかも知れないし、子どもたち1人1人の頑張りも、もっともっと必要なのかも知れません。希望格差をジブンゴトとして捉え、手を差し伸べたり、寄り添ったり、応援を送ってくれる人が1人でも増えること。そういう人が1人増えることが、カナエールの1歩で、来場者、社会人ボランティア、スポンサー企業、寄附で支えてくれたサポーター、外部の著名人や有識者の方々、実行委員会、NPOスタッフ、そうやって少しずつ関わる1人が増えるごとに、1歩1歩、歩みを進めて来た、関わる人に大いに支えられた、とっても恵まれたプロジェクトです。

カナエールの最後の開催、是非、立ち会っていただきたいです。

子どもたちの夢の行く末がまだまだこれからなように、関わり支える社会もまだまだこれからです。奨学生が壇上でスピーチコンテストを終えることが、彼ら彼女らにとってのスタートラインであるように、来場される皆さんにも、新しいスタートを切ってもらえるんじゃないかと思います。

奨学生、カナエルンジャーのスピーチ、すごいです。

希望の舞台、是非お出かけください。カナエールらしい最後の開催となるよう、スタッフ一同、準備を整えてお待ちしています。

皆さんと一緒に新しいスタートを切ることを楽しみにしています。

希望格差のない社会へ。

「生きやすさ」と「居場所」と「社会」 – カナエール 2017 夢スピーチコンテスト開催に寄せて – NPO法人ブリッジフォースマイル代表 林 恵子

シンガポールに拠点を移して3年目に入りました。
頼りになる仲間たちのおかげで、NPO代表が国内不在でも大きな問題なく活動が継続しているのは嬉しい限りです。

私はシンガポールで何をしているかというと、家では【NPOの仕事】、【家事】、【勉強(英語、社会福祉の通信大学)】。外では【ボランティア(知的障害児のサポート、リハビリ病院でのヘアカット)】、【テニス】、【アルバイト(日系美容院の受付)】など。

シンガポールならではの経験はもちろん、時間の余裕がある今だからできることをやろうと欲を出し、なんだかんだと忙しくなってしまいました。
どんどん家事が手抜きになります…^^

新しい場所に足を踏み出すのはそんなに苦手ではないものの、その場所が自分の「居場所」になるかは別の話だなと思います。

例えば、テニスクラブは居心地がいいです。

テニスは学生の時にやっていたので、体力の衰えはあるものの周りの足を引っ張らない程度にはプレーできます。常夏のシンガポールで仲間と「今日は暑いね~」と言いながら、差し入れの凍らせたゼリーを分け合うのも楽しみです。

一方で、半年ほど前に始めた土曜日だけの美容院アルバイトに行く日は、いまだに緊張します。電話対応の半分は英語なのですが私の力不足で正しく聞き取れなかったり、美容院と併設されているまつ毛エクステンションに関しては知識がないのもあって質問に上手く答えらなかったり。建物の構造上受付が離れているので仕方ないのですが、職場のコミュニケーションは少ないし、わからないことがあってもすぐ聞けません。でも、ミスをすれば当然ご指導いただきます…。

いまもまだ緊張感の伴う、落ち着かない場所です。家に帰って、ミスしたことを愚痴交じりに家族に話して、励ましてもらってスッキリします。言葉が通じる(!)し、ありのままの自分を知ってくれてる安心感があります。家族のありがたみを実感します。

いろんな場所を経験することで、自分の居場所「居心地が良いと思える場所」があることって、すごく幸せなことだなあとしみじみ思います。

居場所って、お気に入りのカフェとか、自分の家とかソファーとか、具体的な「場所」ももちろんありますが、そこにはたいてい「人」がいます。その場にどんな「人」がいるかも、居心地に大きく影響してるように思います。

そこに居てリラックスできる場所があること、自分の良いところもダメなところもわかって受け入れてくれる人がいることが、どれだけ生きやすくしてくれるんだろう。それは、職場や学校も、趣味のサークルも、家庭も、同じことが言えそうです。

かといって、居心地の良い場所は誰かが用意してくれるものでもありません。自分で探さなくちゃ。

大人になるにつれ、場を強制されることは減っていきます。仕事だって簡単に辞められちゃう時代なんですから。自分からその場所に出向き、その場所が自分に合うかどうか確かめることができるのは、自分だけです。

そして、その場所を自分から居心地良くするための努力(明るく挨拶したり、差し入れ持って行ったり)や、守るための努力(会社が利益を確保したり、クラブが廃部にならないよう新規入会者を増やしたり)も大切です。

行動、努力をしなければ、自分の居場所は作れないし、守れないと思うのです。

…私も居心地よい家庭を作るために、ちゃんと掃除もしなくちゃ…(^^ゞ。

シンガポールの公園。日曜日、多くはメイドとして働くフィリピンの人たちが、居場所にしている。

さて、児童養護施設の退所者たちは、生きづらさを抱えていると言われます。それは、社会に出て自分の居場所がない、と感じてしまっているからじゃないかと私は思うのです。だから改めて、児童養護施設の子どもたちにもがんばってほしい。自分の居場所をつかみ取ってほしい。

同時に、居場所は広義には社会そのものと言えます。

一人ひとりがリラックスして生活できる社会。お互いに関心と思いやりを持ち、声を掛け合う社会。
多数派への同調じゃなく、多様性を尊重する社会。

そんな社会を目指し、ブリッジフォースマイルは啓発にも取り組んでいます。

生きづらさを抱える若者たちの存在を知ってほしい。声を聴いてほしい。児童養護の子どもたちの理解者、応援者になってほしい。カナエール夢スピーチコンテストは、そんな私たちのチャレンジでした。この7年間で大きな手ごたえも感じつつも、カナエール夢スピーチコンテストは今年が最後になります。

ぜひ、多くの方にお越しいただけましたら嬉しいです。特にまだスピーチコンテストに参加したことのない方に、ぜひ一歩を踏み出していただきたいです。

みんながお互いに関心と思いやりを持ち、受け入れられていると感じられる、居心地の良い社会を一緒に作っていただけたら、嬉しいです。

「魂の言葉を伝えるスピーチ」~奈良橋陽子さんとの表現ワークショップ~

5月14日(日)に都内のスタジオで、キャスティングディレクター/演出家の奈良橋陽子さんに、カナエルンジャーに「伝える」スピーチの方法をアドバイスいただく、特別ワークショップを実施しました。

東京・横浜の17チーム(カナエルジャー・エンパワ)が参加し、まず各チームで原稿の要所を抜き出して、90秒を目安にスピーチをしてもらいました。
俳優の伊藤雄太さん、女優/脚本家の岩瀬晶子さんにも講師に加わっていただきました。

プロを含めて、総勢数十人の聴衆に囲まれたカナエルンジャーは、とても緊張していた様子。
おそるおそる横浜の各チームのカナエルンジャーがスピーチをはじめましたが、

「誰だって、どんなベテラン俳優だって緊張はするもの。緊張が表現の妨げになるときがあるけれど、それは決して悪いことではない」
「誰かひとり、安心して話せる相手を見つけて、その人に優しく伝えようとすればより一層伝わるかも」
「当日も一杯のお客さんが聴きに来ていると思うけれど、あなたの失敗するところを見に来ようとしているのではない。全員が応援する気持ちで聴きに来ている味方だということを覚えていて」

カナエルンジャーは、一人ずつ奈良橋さんからの熱のこもったフィードバックを受け、カナエルンジャーたちの表情は、大勢の前できちんと喋りきったという安堵の気持ちもあって、緊張から一気に笑顔に! 場の雰囲気もすぐに和やかになりました。

各チーム、奈良橋さん、伊藤さん、岩瀬さんからのアドバイスを受け、30分のブレイク時間で、各チームでスピーチ内容を練り直して、2回目に臨みます。それぞれのチームが、短い時間ながら思い思いのやり方で「より良いものを」と振り返り・練習を行うと、広いスタジオは熱気で室温が急に上昇したかのように思えるほどでした。

そんなチームの努力、とりわけカナエルンジャーのより真剣な取り組みもあり、2回目のスピーチは劇的に素晴らしいものとなりました。1回目のスピーチを行った場所から、隣の広めのスタジオに移ったにも関わらず、自信に満ちた部屋に響く声、原稿を見るばかりだったけれど相手をスピーチに引き込むようなアイコンタクト。伝えたい大切な言葉をみんなに聞いてもらうための抑揚の付け方。他のルンジャーへアドバイスも自分のものとして取り入れ、読み上げていた文章が「自分の言葉」となっていました。

「失敗してもいい。失敗しないと学ばないのだから」
「あなたの思いがすごいのだから。今の自分を乗り越えていこうとしているのがすごいのよ」
「だから、あなた自身のことをもっと主張して、自分の声を聴いてもらって」
「心の声を聴いてもらうように。まだスピーチの熱量が魂の言葉につながっていない」

 

こうして、あっという間に3時間の表現ワークショップが終わってしまいましたが、カナエルンジャーの「伝えるスピーチ」の方法だけではなく、自分に自信を持つことに背中を押していただいた、とても貴重で勇気づけられる時間でした。

コンテストまであと1か月半。東京・横浜のチームが勢揃いする機会は、これで最後になります。
一人ひとりの「魂のスピーチ」が、さらにどう磨き上げられるのか、とても楽しみです。
彼らの等身大の声をぜひ聴きに、会場までお越しください。

(実行委員:おちえ、おじゃる)

こどもの日 – カナエールと124人の子どもたち

124人。これは、この7年間、カナエールが迎えた子どもたちの人数です。
昨年度、終了段階で「カナエルンジャー」(奨学生)は100人に達し、2017年、最後の開催でカナエルンジャーは総勢124人となります。

皆さんもこの1年ほど、社会的養護の子どもたちのための奨学金のニュースを目にしたことがないでしょうか。子どもの貧困という言葉がキーワードとしてクローズアップされるのとともに、少しずつですが、世の中に子どもたちを巡る状況が伝えられることが増えたように思います。

一方で、「事件」はニュースになりやすいが、「状況」はニュースになりにくい。

子どもたちを巡る「状況」が変わって来ても、その全体像が伝えられる機会というのは意外と少ない、というのが実際です。

社会的養護の子どもたち向け奨学金

チケット販売開始の記事でご案内した通り、社会的養護の子どもたちが利用できる奨学金プログラムは急速に広がりを見せています。カナエールもそうした奨学金支援プログラムの中の1つです。

図表を見ていただくとわかる通り、行政をはじめ、企業や団体、大学なども積極的に奨学金制度の充実に取り組んでいます。金額や支援対象者数、使途の範囲はさまざまですが、進学を希望する子どもたちにたくさんの選択肢が用意されたことになり、このことは社会のとても前向きな変化です。

子どもたちを巡る状況が変わりました、そう言えると思います。

社会的養護の子どもたちの自立支援を考える時に、この「進学」というライフステージは、特に資金面での支援をしやすいタイミングとも言えます。虐待や貧困、問題の根っこにあることが解決されたわけではないですが、社会がそのチャレンジを応援する態勢が整いつつある、そういう風に言えそうです。

奨学生カナエルジャーの現状

先ほど、124人と書きました。2017年3月時点での状況は下記のとおりです。

ご覧いただくとわかる通り、全ての奨学生が進学先を順風満帆に卒業している、というわけではありません。中退率の全国平均約25%と比べれば、プログラムに参加した奨学生の中退率は14%と低くなっていますが、学業とアルバイトを両立し、限られた時間を工面しながら、自分ひとりで卒業までを頑張り抜くことは、奨学金の給付だけでは至らない部分があることも確かです。

カナエールは意欲と資金の両面から子どもたちをサポートすることを謳って来ましたが、資金面での奨学金の給付が奨学生の卒業まで続くように、意欲面でのコンテスト後の見守り支援にも注力して来ました。「グランドカナエール」というプログラムで、カナエールの社会人ボランティアを経験したメンバーが中心となり、日々の悩みや、進路、就職のことなど、頼れる大人が継続的に伴走することで、奨学生が進学先を卒業して、社会人として活躍するまでをフォローしています。

奨学金支援プログラムとしてのカナエールのスピーチコンテスト開催は2017年が最後の開催となりますが、こうした見守り支援は続くということと、奨学金支援が充実しても、この意欲面、子どもたちの気持ちを大人たちが支える「社会の子育て」は、子どもたちが自分の夢に向かって挑戦できる世の中であるために必要です。カナエールというプロジェクトが7年間で培った来た子どもたちと大人たちの繋がりは、きっとこれからもっと大きな意味を持つはずです。

2017年5月5日、こどもの日

いかがでしたでしょうか。こどもの日、こどもの幸せを願う日、社会的養護の子どもたちを巡る状況を、もう一度、考え直していただければ良いなと思いました。この夏、東京・横浜・福岡の開催地で、総勢24名の子どもたちが、カナエール 2017 夢スピーチコンテストに挑戦します。社会人ボランティアやサポートしてくださる大人たちとともに、120日間の準備をして、コンテストの壇上に立ちます。

大きな変化の時期だからこそ、カナエール夢スピーチコンテスト、最後の開催をたくさんの方々に見届けていただきたいと思います。過去最大の席数をご用意してお待ちしています!1人でも多くの皆さんに、子どもたちの今と向き合ってみて欲しいと思っています。是非、会場へ足を運んで、カナエルンジャーのスピーチを聴いてください。

叶える+エール=カナエール

「たまに、カナエールって声に出して言いたくなりませんか?」って実行委員会の事務局スタッフに言ったら、「大丈夫ですか?」って返されたことがあります。

というのは笑い話ですが、カナエール、ってネーミング、とってもユニークだと思っています。なんか響きが良い。僕は実行委員会に加わって5年ほど経ちますが、カナエールというネーミングは当然その前からあったもの、立ち上げの初期メンバーが作ったものです。

カナエールというのは「叶える」という言葉をキャッチーな響きにしたもの。これで半分正解です。

もう半分はというと。

カナエールというネーミングを分解すると、「叶える」と「エール」になります。エールは応援する時のエールですね。つまり、夢を叶えることを応援する、という意味になります。

実はこのプロジェクトで大事なエッセンス、「カナエール」というネーミングにギュギュッと詰まってるんですね。

プロジェクトのスタートから引き継いだものは他にもあります。

カナエールのロゴマークも、とってもユニークです。以前、友人のデザイナーには「ロシア・アヴァンギャルドみたいだね」と言われたことがあります。実際、そうした力強い時代のアートがデザインのモチーフになったようで、そこにカナエルンジャーを表す男女と、彼らが発するメッセージが図案化されています。赤と黒と白、カクカクした線、福祉や社会貢献の分野や、ソーシャルビジネスなどの分野ではあまり見かけない、ちょっと異色のデザインになっています。

実行委員長に聞きました。「ポップさ」が大事なんだそうです。

ともすれば、かわいそうとか、つらそうとか、苦しそうとか、ネガティブな感情が先行してしまいそうな領域にあって、「ポップさ」というのは主人公のカナエルンジャーの強さをしっかり押し出していこうというプロジェクトの意思の現れです。そうやって、先達がネーミングにロゴマークに込めてくれた想いが、このプロジェクトの今に繋がっています。

大原則に立ち帰れるもの、過去から未来に立てた道標は、しっかりプロジェクトに根ざしています。

「声に出して言いたくなりませんか?」

今年も会場で皆さんが声に出して叫ぶ機会が、きっとあります。

「カナエール!」

良く響くんです。

18歳以下割引 – 若い人たちにも聴いて欲しい

7年間、続いて来たカナエール、今年、新たに取り組みたいことがあります。「スピーチを若い人たちに聴いて欲しい」。

東京・横浜の会場では、18歳以下の割引をご用意しました。

ご購入時に18歳以下であることが割引の条件で、1,800円のチケット代でコンテストにご来場いただけます。コンテスト当日の受付に年齢を証明できる身分証明証をご持参いただくことをお願いしています。

多くのカナエルンジャーが先輩たちのスピーチコンテストでの姿を見て挑戦を決めてくれていること、また、来場くださったカナエルンジャーに近い世代の子たちから励まされた、自分も頑張ってみようと思った、という声をいただいており、運営側としても何かできることはないかと検討した結果、18歳以下の割引をご用意することにしました。

チケット販売開始から1週間ほど経ちますが、既に一般のチケット購入する際に、合わせて18歳割引で複数枚をご購入いただいているお客様もおられます。ご家族、先生と生徒、また勿論、18歳以下の方だけでも、今回の取り組み、是非、ご利用いただければと思っています。

18歳という年齢は、運営元のブリッジフォースマイルがメインで取り組んでいるテーマ、「巣立ち」の年齢でもあります。多くの子どもたちは、これまで18歳で施設を出て、一人で生活していかなければなりませんでした。そういう節目の年齢だと思っています。

18歳以下の方々に限らず、今回のスピーチコンテストを若い人たちにも聴いて欲しい、というのは私たちの願いです。カナエルンジャーのスピーチは、きっと若い人たちのこれからに働きかける力があると思っています。近い世代の子たちが夢を語る姿を観る、それをきっかけに何か新しく始まることがあれば良いなと思っています。

2017年のカナエール、新しい挑戦です。

「この夢は、忘れない。」 – カナエール 2017 夢スピーチコンテスト、チケット販売開始しました!

プロモーションチームよりお知らせです!本日、カナエール 2017 夢スピーチコンテストのチケットを販売開始致しました!今年も東京、横浜、福岡の3都市にてコンテストは開催されます!

そして、今回が最後の開催になります。運営団体のNPO法人ブリッジフォースマイル代表、林より、Webサイトにて、カナエール終了についてご説明させていただいています。

奨学金支援プログラム「カナエール」終了について | Bridge For Smile(ブリッジフォースマイル)

ご案内にあります通り、基本的にはとても前向きな判断で、奨学金支援という体力的にかなりタフな事業を、支援対象者数を絞る代わりに、多くのボランティアやサポーター、スポンサーを巻き込んで、資金と意欲の両面から支援して来たプロジェクトでしたが、カナエールは7年の歳月でスピーチコンテストという形での開催を終え、社会的に一定の役割を果たしたという認識とともに、今後は行政、他団体がまだまだフォローしきれていない、意欲やキャリアの支援の分野にフォーカスして、引き続き子どもたちの支援にこれまで以上に取り組んでいきます。

社会がこんなにも早く問題の重要性と具体的な解決策を総掛かりで打ち出すことは、昨年段階では想定しておらず、私たちも2月頃この決定を聞きまして、最後の開催に向けて準備を進めて来ました。最後だからこそ、最後の開催ということにきちんと意味を持たせて、ここまでの7年間の積み上げられた子どもとそれを支える大人の挑戦の価値を最大化することが、プロモーションの役割だと考えています。

「この夢は、忘れない。」

これが最後のカナエール開催を彩るキャッチフレーズです。今年のカナエール開催に向けて、私たちが伝えたいものってなんだろう、チームの9人で5本ずつ、それぞれにフレーズと、そのフレーズを伝えたい理由を出してみました。そうしたら、そこには地図が広がりました。私たちがカナエールというプロジェクトに委ねていた、願っていた、託していた、想い。そんな地図を眺めていて、自然と出てきたフレーズです。9人でストンと共有できました。

カナエールというプロジェクトにはたくさんのステークホルダーがいます。なんというか、総掛かり戦、そんな感じのプロジェクトです。スピーチに挑戦する奨学生のカナエルンジャー、それをサポートする社会人ボランティアのエンパワチーム、これまでプロジェクトを寄付で支えて来てくださった継続サポーターの方々、毎年の開催を楽しみにしてくださるコンテスト来場者の方々、強力にバックアップくださるスポンサー企業や団体、審査員やスペシャル・アンバサダー、またコンテスト当日のライブ・パフォーマンスなどでもたくさんの有識者・著名人にサポートいただいて来ましたし、当日の会場運営のボランティアや、友人知人にカナエールの話をしてくださった多くの皆さん、伝える手助けをしてくださったメディアの方々、本当に枚挙に暇がありません。そして、そうしたステイクホルダーの一員として、私たち実行委員やブリッジフォースマイルの事務局もあります。

最後のカナエール、皆で共有したいなと。

今回、大事にしたのは、夢が続く、終わらない、ということ。願いを、叶える、ということ。強くて、信じたい夢だということ。カナエルンジャーやエンパワチームにとっては、スピーチをする夢を忘れないということでしょうし、エンパワチームにとってもそうでしょう。観客席やサポーターからすると自分達も忘れないよ、というニュアンスになるかも知れませんし、このプロジェクト自体が一つ皆で夢を叶える目的に向かったものだったろうとも思います。夢は醒めれば忘れてしまうものだけれども、この夢だけは。少しずつ立場で受け取り方が違っても、この言葉なら共有できる、だからこんな言葉になりました。

「この夢は、忘れない。」

チーム9人で共有できたこと。それをカナエールに関わる多くの皆さん、そして今年出会う新たな皆さんと共有できるようにすること、それが今年の私たちの挑戦です。

いよいよこれからカナエルンジャーとエンパワチームのスピーチ作りも本格化します。自分の過去と向き合い、自分の今を確かめ、自分の未来を描きます。120日間の彼らの挑戦は、きっと忘れられないものになるはず。そして、コンテスト当日。

満員の観客席で、カナエルンジャーのスピーチを迎えたい。

カナエール 2017 夢スピーチコンテスト、チケット販売開始になりました。一人でも多くの皆さんに会場に足を運んでいただき、彼ら彼女らにエールを送って欲しいと思います。多くの皆さんのご協力がスピーチコンテスト開催のために必要です。皆さんの応援、頼りにしてます!

どうぞ宜しくお願い致します!

カナエール実行委員会 プロモーションチーム一同

Rhythmoonでカナエールが紹介されました

自分らしく生きる女性を応援するプラットフォームサイト”Rhythmoon”で、カナエール夢スピーチコンテストをご紹介いただきました!(ご報告が遅くなってしまいました)

6月に開催した東京のコンテストの様子と共に、児童養護施設から進学する若者たちの抱える困難と、彼らを支援するカナエールの仕組みを詳しくご紹介いただきました。

勇気をもって「夢」をスピーチ。児童養護施設からの進学を支える”カナエール”
http://www.rhythmoon.com/column/2016/09/post-1887.html

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▼カナエールからのお願い

◆カナエルンジャーに奨学金を届けるため、継続サポーターをあと50名ほど必要としております。
http://www.canayell.jp/support/donate/

◆2017年度、子どもに関わるボランティアに挑戦してみませんか!カナエルンジャーを支える社会人メンバーを募集しています。(募集開始は10月〜)
http://www.canayell.jp/support/empowerment/

◆ブリッジフォースマイルは児童養護施設の子どもの自立支援(進学支援・就労支援・住居支援・退所後支援など)を行なっている団体です。気軽にできる古本寄付から、ずっと見守る継続寄付まで、皆様の温かいご支援をお願いしております。
http://www.b4s.jp/action/contribution/

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クローズアップ現代【〜奨学金破産の衝撃Ⅱ“中退続出”の危機~】をご覧いただいた方へ

HPにアクセスくださり、誠にありがとうございます。
NPO法人ブリッジフォースマイルが運営する、奨学金支援プログラム「カナエール」は、
児童養護施設から進学を目指す若者を応援するため、2011年より活動しております。

今夜のクローズアップ現代では、奨学生の1人がインタビューに登場しました。

なかなか可視化されない、児童養護施設の子ども達の困難な状況。進学率は20%となっています。

私どもの活動は、卒業までの継続的な奨学金支援(給付型)を特徴としており、現在も45名以上の進学中の施設退所者に奨学金を給付中です。

どうぞこの放送を機に、日本の子どもの現状に少しでもご興味いただけましたら幸いです。

2016.8.24 カナエール実行委員会一同

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▼カナエールからのお願い

◆カナエルンジャーに奨学金を届けるため、継続サポーターをあと50名ほど必要としております。
http://www.canayell.jp/support/donate/

◆2017年度、子どもに関わるボランティアに挑戦してみませんか!カナエルンジャーを支える社会人メンバーを募集しています。(募集開始は10月〜)
http://www.canayell.jp/support/empowerment/

◆ブリッジフォースマイルは児童養護施設の子どもの自立支援(進学支援・就労支援・住居支援・退所後支援など)を行なっている団体です。気軽にできる古本寄付から、ずっと見守る継続寄付まで、皆様の温かいご支援をお願いしております。
http://www.b4s.jp/action/contribution/

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