カナエール 2014の振り返り – 実行委員長 林 恵子 – カナエール報告書より

2014年度 カナエール報告書より、カナエール東京・横浜2014 実行委員長 / NPO法人ブリッジフォースマイル代表 林恵子のカナエール 2014の振り返りを掲載させていただきます。報告書では収支を含む、昨年の東京・横浜に関するプログラムの内容、データや、振り返りなどを記載しております。合わせてご参照ください。

カナエール 2015 夢スピーチコンテストの開催も1ヶ月に迫りました。ご来場のご参考にもしていただけると幸いです。


 カナエールは児童養護施設を退所した後、大学や専門学校へ進学する子どもたちを支援する奨学金プログラムです。親を頼れない退所者たちは、経済的な厳しさから大学等へ進学を自由に選択することができません。そのため、「どうせ自分なんて・・・。」「どうせ努力したって無駄。」と希望を失い、目標を持てない子どもたちが少なくありません。カナエールは、大学等への進学の道を拓き、「希望格差」を解消することをめざしています。

カナエールの特長は、コンテストで自らの夢をスピーチすることを奨学金給付の条件としていることです。コンテストは、奨学金を寄付してくださる支援者の方に直接奨学生の思いを聞いていただく機会とするとともに、奨学生(カナエルンジャー)たちにも自覚と成長を促す機会となります。一人たった5分間のスピーチと3分間の映像を作るために、サポートするボランティア3人とチームを組み、4か月間かけて準備します。実行委員会は、コンテスト当日を迎えるまでの企画運営を担います。さらに寄付者や協賛企業の資金提供、著名な方々によるプロモーション協力、施設職員による後押しやフォローなど、様々な立場の方が多様な形でご協力くださっているおかげで、このプログラムは成り立っています。「費用対効果」の観点から言えば、時間と労力のかかる効率の悪いプログラムになるかもしれません。しかしこの活動は、「夢」、「希望」、「意欲」、「達成感」、「思いやり」、「愛情」など、カナエールを支えてくださっている皆様のあたたかいエネルギーで満たされていると感じます。奨学生カナエルンジャーたちは、そのような安心できる環境の中で思い切って挑戦でき、逆境にもあきらめず努力を続けていくことができるのではないでしょうか。そして、夢を叶えイキイキと活躍する先輩の姿は、施設にいる子どもたちにとってロールモデルとなります。こうしてカナエールは、“希望のバトン”をつないでいきます

プログラムは2011年に始まり、今年4回目を開催することができました。さらに今年は、東京だけでなく、横浜と福岡でのコンテスト三ヶ所開催が実現しました。全国にこの仕組みを広げていくことを目標にしていましたので、大きく前進した年となりました。

一方で、カナエール開始以来初めての残念なこともありました。今年選ばれた奨学生カナエルンジャーは25名でしたが、そのうち1名をコンテストに出場させないという決断をいたしました。つまり奨学金を支給しないということです。活動への参加姿勢がカナエールが求めるレベルに達していない、カナエールでは卒業まで支援し続けることが難しいと判断しました。

カナエールは、万能ではありません。奨学金も必要な金額に対して、ほんの一部にしかなりません。施設退所者たちが立ち向かう困難に対して、私たち大人ができることは本当にわずかです。それでも、子どもたちの可能性を信じて大人たちが行動しなければ、子どもたちの未来は変わりません。共感していただき、応援してくださる皆様と一緒に、これからも一歩ずつ、前に進んでまいります。

これからもカナエルンジャーたちとカナエールをよろしくお願いします。

カナエール東京・横浜2014 実行委員長
NPO法人ブリッジフォースマイル代表

林 恵子