「かっこいい大人とかっこいい背中」最後のカナエール – 一般社団法人イトナブ石巻 太田 サヤカ

昨年のカナエール 2016 夢スピーチコンテストに、東北は石巻から来場してくれた太田サヤカさん。石巻から1000人のエンジニアを育成を目指す「イトナブ」のデザイナーで、デザインの仕事をしながら、新しい技術やデザインを通じて、子どもたちにものづくりの楽しさを覚えてもらう、そんな活動にも携わっています。

今回、観客として、子どもに関わる大人として、そして、カナエールに関わってくれた若ものの1人として、インタビューをさせてもらいました。

取材:実行委員 コースケ

児童養護、との出会い

【コースケ】最初に聴きたかったのが僕と知り合う前に児童養護施設を知っていたか、ということなんだけども。

【サヤカ】知ってました。ただ、そんなに身近に感じたことはなかったです。

【コースケ】ということは、どういう子たちがいる場所か、みたいなことをあまり考えたことがなかった感じ?

【サヤカ】そうですね。全然身近にそういう子とか知り合いもいなかったので、テレビとかで観て知ってるレベルで、母親父親が亡くなった子とか、家庭に何か問題がある子たちが行ってるところ、というイメージでした。

【コースケ】以前、green drinks Yokohamaに来てもらって、林さん(NPO法人ブリッジフォースマイル代表)の話を聴いてもらったのが初めて?

ブリッジフォースマイル、えと菜園、2つの自立支援に取り組む団体の代表によるトークセッションを行った、green drinks Yokohama – はぐくむ。

【サヤカ】リアルな現状みたいなのを知ったのは、あれが初めてでしたね。

【コースケ】その時の印象って覚えてる?

【サヤカ】覚えてます。

【コースケ】ちょっとそれ聞かせてくれないかな。

【サヤカ】親が亡くなった子が行ってるイメージが強かったんですけど、虐待を受けていたりとか、お金の問題で来てる子、親が健在している場合の方が今は多いというのを聞いて、想像と違ったなというのがわかりました。

【コースケ】なるほどね。

【サヤカ】自分はお気楽に生きて来たので、これまでそういう社会問題に目を向けたことは全然なかったんですけど、林さんの話を聞いて、改めて児童養護ということにいっぱい問題があるんだなと思いましたね。

【コースケ】その時の印象ってさ、そういう子どもたちがいてかわいそう、みたいな感じ?

【サヤカ】うーん、林さんのお話を聞いただけだったので、現場とかに行ったことないし、その子たちが実際どういう風に思って生活しているのかイメージがつかなかったんで、あまりかわいそうとか、そういう感情は起こらなかったですね。

【コースケ】そうだよね。どっちかって言うと、社会問題の解決に取り組んでいる起業家の人達がいる、それって大事な活動だなって思った、って感じだよね。

【サヤカ】そうですね。イトナブがやってることとも似てる部分があるなと思って。

【コースケ】イトナブが社会問題と向き合ってる意識って強かった?

【サヤカ】いや、全然なかったです。

【コースケ】でもなんかさ、ブリッジフォースマイルとイトナブが似てるって思った時に、もしかしたら、自分たちも社会問題に関わってるんじゃないの、みたいな感覚とかなかった?

【サヤカ】社会問題とは思わなかったんですけど、似てるなと思ったところが、何かチャンスを与える、きっかけのタネを与える、というところです。特にカナエールはマイナスなことをプラスに変えるみたいなところがあるなと思って、その時、自分もイトナブ入りたてで、イトナブについて深く考えることとかもあんまりなかったんですけど、何もないところから1つきっかけを与えるだけで、若い子はぐんぐん成長するし、ものすごいパワーを発揮する、可能性をいっぱい持ってるから、そういう花を開かせるための取り組みの重要性に改めて気づいた感じですね。

【コースケ】じゃあなんかヒントと言うか、子どもたちへの関わり方に、ちょっと先行ってる先輩見つけた、みたいな感じかね。

【サヤカ】そうですね。やってることは全然違うと思うんですけど、きっかけを与えてサポートしていくという面が似てるし、イトナブも見習っていかないといけないところだなあと思って聴いてましたね。

【コースケ】あの日終わってからテンションどうだった?元気出たか、楽しかったか、ちょっとつらかったか、面白いなと思ったか。

【サヤカ】面白いなと思って、イトナブってどういう団体なのかなって考えるきっかけにもなったんで、ちょっと覚醒した感じになりました。

【コースケ】覚醒したんだw。

【サヤカ】シャキッとしましたね。背筋が伸びたというか。

【コースケ】じゃあ、これから自分も頑張ろう、みたいな感じだ。

【サヤカ】そうですね、その時はそういう感じでしたね。

初めて観た、カナエール

【コースケ】去年、カナエール来てもらったわけだけれど、あれから2年空いたんだっけ?

【サヤカ】そうですね、2年も空いちゃいました。

【コースケ】カナエール来てみない?って言われた時、どう思った?遠いから大変じゃん、来るの。

【サヤカ】いやいや。行きたいと思ってたんで、声かけていただいて嬉しかったです。

【コースケ】一方で、どういう気持ちで行ったら良いんだろうとか思わなかった?

【サヤカ】うーん、そうですね、私あまり何も考えないで行っちゃってました。ただ単純に話には聞いているけど、実際どういう感じなのかな、という。行く前に前の年の優勝した子のスピーチを聴いて。

【コースケ】黄色いTシャツの子だっけ?

【サヤカ】そうですね、男の子。

【コースケ】チャンプって言うんだけど、「トレーナーとしてオリンピックの舞台にもう一度立ちたいです」、って話をしていた子だよね。

【サヤカ】それ見てすごい感動して、しんみりしたんですけど、その時は。ああいう感じのスピーチをみんながするんだろうな、ってイメージを持って臨んでました。何も考えてなくてすいません。

トレーナーとしての夢を力強く語ってくれた、2015 東京イエロー、チャンプ。

【コースケ】いや、大丈夫大丈夫。なんかでも、行くのを楽しみにできた、って意味では、楽しみに来れた、って感じなのかね。

【サヤカ】はい。行ってみたかったんで。

【コースケ】そうしたら、実際に来てみてどうだったか、という話。感想を聞いてみたいんだけれども。

【サヤカ】ビデオでは観てたんですけど、実際目の当たりにすると、1人1人の過去に起きた出来事とか、つらい経験したこととかが、リアルに伝わって来て、その日はすごい感動しました。そのことを勇気振り絞って話してるってこと自体にすごい感動しちゃって、なんかしんみりしてました。

【コースケ】折々でしんみりしてるねw。そうか。あまり誰々の話が、というよりは、あれだけの舞台に立って皆の前で自己開示してる、ってところが一番響いたって感じか。

【サヤカ】そうですね。1人1人のことも覚えてるんですけど。自分の過去の話をして、泣いちゃってた子もいたと思うんですけど、泣かないで毅然としている子もいて、なんなんですかね。

【コースケ】あれはなんなんだろうね。せっかくだから一緒に考えてみようよ。すごいよな、やっぱり、すごいんだよな。泣いちゃうくらい気持ち入るのもすごいと思うんだけど、そこで泣かないで立ち向かっているのも、なんかすごい感じするよね。

【サヤカ】そうですね。あの場で話していること以外にも、きっと私たちの想像する以上の色々なことを乗り越えてきたんだろうな、というのを感じました。人の痛みがわかる子っていうのは、色々なことをたくさん考えてるし、色々な経験もしてるから、その分、すごい立派な大人になるんじゃないかと思ってて。

【コースケ】なるほどね。

【サヤカ】すごい抽象的なんですけど。

【コースケ】わかるわかる。たまたまさっき作文していたのだけれど、カナエールで今年パラパラマンガの動画が出ていて、元になったのが、カナエールが発足する前に、看護師として自分の夢を叶えるために、進学したいんだけど施設出身でお金がないから、自分で周りの人にお願いをして応援者を募って看護師になる夢を叶えた子の話なんだけれども、その子が「社会に出てからはみんな平等」だと。だから、平等なスタートラインに立った時に、「それまでつらい経験をいっぱい乗り越えてきた私たちだから頑張れる」、ということを言ってたのね。立派な大人ってなかなか難しい言葉じゃん。立派な大人ってなんなのさ、という。

【サヤカ】そこを強みにできているところがすごいなと思って。

【コースケ】そうだよね、強みだよね。ある意味、ハンディキャップだもんね。

【サヤカ】話すことってやっぱり大事だなと思って。あの後、改めて色々考えてたんですけど、自分も最近過去にあったこととか、人に話せるようになって来て、家族のこととか、自分が育って来た環境のこととか、話したくないし、思い出したくないし、忘れたいことがあるんですけど、でもそうすることによって、色々なものを閉じ込めちゃうんですよね。本当に言いたいことを言えなかったりとか、自分と向き合えないところがあるなと思って、最近自分のことも話すようになって、どうして自分ってこういう風な性格なんだろうとか、嫌なところが出て来ちゃったとか、これからどうしていきたいかみたいなこと、過去のことに隠れていることが色々あるなって気づいて。

【コースケ】自己肯定感みたいな言い方をよくするけどさ、自分が人に話すと人によく思われないみたいなこともあるかも知れないし、自分がそのことを話すことが負担だってこともあるかも知れないけど、それを一部として今の自分が成り立っている時に、そこを全く触らない、腫れ物に触らないってやつだよね、そうすると自分の全てを伝えたいとか、認めてもらいたいとか、話したいとかっていうとこができなくなっちゃうから、自分の嫌なことを中心に動いてるものがどんどん言えなくなってくるというのはある気がしていて、とは言え、なにもかもあけっぴろげに人に話せばいいかというと、そうではないと思うんだけれども。よくカミングアウトって言葉があるけどさ、例えばLGBTの人たちが自分がゲイですみたいなことをカミングアウトするという時に、人によって反応が様々だからさ、そういう話を誰にするかとか、どうやってするかとか、学習をしながら、コミュニケーションを取っていく過程で、今回うまくいったとか、うまくいかなかったとか、言って良かったとか、言わないほうが良かったとか、あるわけだよね。なんか、自分の話をするってそういうことなのかなという気がするよね。

【サヤカ】そうですね。カナエールを観てて一番良いなと思うのが、そういう話を聞いてくれる大人たちがいっぱいサポーターについてくれてるというところです。自分を知ってくれて、一緒になって考えてくれる人がいるっていうのがすごく大事だなと思います。家族以外の人で、親を頼れない子にとっては、そういう付き合いをしてくれる人のことを家族って思う子もいると思うんですけど。

【コースケ】今、ブリッジフォースマイルの方で、社会の子育てみたいな言い方をしているけれども、例えば施設が子どもを見る、里親が子どもを見る、みたいな議論がある時に、やっぱり施設じゃなくても里親じゃなくても困ってる人には関われるわけじゃない。だけど、そういう仕組みがないから、どこに困ってる子どもがいるかもわからないし、どういう風に手伝って良いかもわからないし、カナエールはチケットを買って応援してください、っていうのが1つの答えだったりするよね。ボランティアで関わりたいって人は、ボランティアとしてスピーチコンテストに関わって、コンテストが終わっても、卒業するまで、コンテストで子どもたちに関わった人たちが、見守り支援というのをやるのね。コンテストが終わったらさあ解散じゃなくて、奨学金の給付と並行して子どもたちをサポートしようっていうきっかけでもあるんだよね。いきなり子どもに引き合わされて、卒業するまでをサポートしてくださいって言われてもなかなか情熱を注げないけど、スピーチコンテストに向けて120日間、プライベート削って一緒に頑張った、みたいなのが最初にあれば、その後、卒業まで深い愛情を持って関われるじゃん。だから鶏が先か卵が先かみたいな話ではあると思うんだけど。

【サヤカ】そこは本当に仕組みが上手ですよね。

【コースケ】と思うでしょ。なんだけど、多分、イトナブでワークショップやっているのとかも一緒で、最初に入り口で子どもたちに来てもらってゲーム作ったりするわけじゃない。でその中で、何人か興味を持ってくれた人たちと、細く長くじゃないけど、時間をかけてイトナブと付き合っていきましょう、みたいなことをやるわけじゃない。最初にパッション、というか、情熱的なものがあって、楽しいとか面白いとか思えた子たちと、その後、イトナブも付き合っていっている感じがしていて、やり方違うけどやっぱり似てるんじゃないかね、っていう気がするよね。

【サヤカ】そうですね。でも見習わなきゃいけないなっていうところが、終わった後のサポートがイトナブは結構弱くて。

【コースケ】問題意識を感じてるところ、ということだよね。

【サヤカ】そうですね。

ワークショップでの太田サヤカさん。石巻の子どもたちのために、エンジニアとデザイナーのチームで取り組みます。

【コースケ】ただそれ、カナエールがスゴイって話ではなくて、むしろ僕ら今一番困っているところで、今年最後の開催なわけですよ。これからは奨学金支援のニーズっていうのが、資源が限られているNPOよりも力のあるところがやってくれそうな感じになってきているから、そこから撤退するというか、奨学金支援はスピーチコンテストの参加を条件にしなくても受けれる子たちが増えて、しかもカナエールは参加できる人数が限られてるじゃん。応募者に対して面接もして、挑戦できそうだよ、っていう子たちを選ぶ、って言うと変だけど、面接やって絞ってるわけだから、すごくサポートできる子たちは限られてるんだけど、行政とか民間とかが今、奨学金支援を用意して来ているから、もっとたくさんの子たちが進学を選べるチャンスができたっていう状態で、奨学金支援が目的から外れた時に、カナエールのコンテストも今年で開催は終わるのだけれども、さてこれからどうしようかというのはもう一度ゼロベースのスタートだなと。言ってくれたみたいに、子どもを大人が支えるとか、子どもたちが置かれている状況は、奨学金支援が充実されても、改善されないわけじゃない。つらい思いをしているという、虐待とか、貧困とかが根本のところで解決されたわけじゃないから。これから何をやっていくかっていうのは僕らも問われるところで、ずっと同じことをやっていれば済むって話ではなかったってことではあると思うんだよね。でもこういうやり方ができました、って言って、ずっとそれをやっていれば良いってことって、世の中にないじゃん。

【サヤカ】そうですね。

【コースケ】問題も変わっていくしさ、解決策も変わっていくし、関わる人達も変わっていくからさ。そこでどうやっていくかみたいなことかなあって感じがする。

【サヤカ】なるほど。そうですよね。お金の面だけじゃなくて、話を聞いてもらえる環境とか人がいた、っていうのが、子どもたちの精神的な部分を支えるというのが、結構大きい活動だなあとは思ってたんで。

かっこいい大人とかっこいい背中

【コースケ】こないださ、イトナブの代表の古山さんがTEDxTohokuUniversityで話してたじゃん。古山さん、カナエールにはかぶせてないと思うんだけど、夢を語ってたじゃん。夢を叶えるっていう、カナエールっぽい話をしてたじゃん。

【サヤカ】うんうん。

【コースケ】夢、みたいなことどう思う?

【サヤカ】夢。イトナブに来るまでは、あまり夢って思ってなかった。夢について考えてなかったんですよね。でも、好きなことを仕事にしたいと思って、デザインの仕事を選んで進んで来て、それも夢って言えば夢だったかも知れないんですけど、イトナブ入る前までは、デザインの仕事でご飯食べていければいいやくらいだったんですけど。

【コースケ】まあそれすごい大事だけどね。

【サヤカ】はい。イトナブ入ってから、自分が隠していた願望というか、もっと有名になりたいとか、中学とか高校の時とかに思ってたんですけど、自分の好きなアーティストのCDジャケット作れるようになりたいとか、イトナブ来てから、子どもの時に描いてた夢、みたいなのを思い出して、大きなこと、そんなの無理でしょ、って言われそうなことも、その時の気持ちを思い出して言えるようになったんですよね。それを受け入れてくれる人たちだったから言えたんですけど。

【コースケ】それなんか共感できるけどね。高校とか大学・専門行った後の就職とかってさ、最初に言ってた食っていけるのかみたいな話もあるし、色々な社会に敷かれたレールから外れることをあきらめろって言われるじゃん。遊んでられるのも学生のうちだ、みたいなこともそうかも知れないし、さっき出た立派な大人っていうのとは違う、立派な大人像のステレオタイプってあるじゃん。ちゃんとした社会人てこうでしょ、みたいなの。そこから外れるとやはり否定されたり、あなたの力じゃ足りないって言われたりするでしょ。そういう意味で言うと、イトナブ行ってそういう気持ちの切り替えがあったというのは、ちょっと失いかけてた自由を取り戻した、みたいな感じなのかもね。

【サヤカ】そうですね。イトナブ来て、夢って言うのを思い出して、古山さんがいつも言うんですけど、夢を語れない世の中になって来ている、って。だから、子どもたちが夢を語れる世の中にしたいって言ってるのはすごい共感してて。夢を持って、それを発言して、受け入れてくれる人がいるってだけで、モチベーションって全然違うんですよね。

【コースケ】なるほどね。今の子どもたちが夢を語れなくなって来たという話もさ、カナエールと同じ世界のような話がするし、もう一つ思ってるのが、カナエールの最後で、ボランティアの人達が舞台に出て来て、黒いバンダナしてる人が、この人達がかっこいい大人たちです、ってやるじゃん。覚えてる?

【サヤカ】覚えてます。

【コースケ】イトナブも及川さんの名刺に「かっこいい背中」って書いてあって。前に話した時も「私たちは子どもたちのかっこいい背中になれているだろうか?」って話してたでしょ。

【サヤカ】はい、言いましたね。

【コースケ】その辺がすごい似てるんじゃないかと思うんだよね。

石巻から1000人のエンジニアを育成を目指す「イトナブ」。

【サヤカ】こういう風になりたい、って思い描いても、テレビとか本とかで観ただけだと、全然イメージってわかないと思ってて、身近で仕事している人の姿とか見て子どもって成長していくと思っているし、親の背中見て育つみたいなことと同じだと思うんですけど。近くにそういう人がいるだけで全然違うなというのはあるし、そうやって関わってもらう中で、子どもたちが自分の将来を考えていくのもすごい大事だなと思います。

【コースケ】それこそ最初に林さんが話してたかも知れないけど、児童養護施設という環境にいると、学校もあるわけだけれども、社会との接点てすごい少なくてさ。そういうのって親が補完してたりするわけじゃない。親の仕事の話ちょっと聞かされたりして、ああ、社会ってこういうもんなんだなとか、大人ってこういうもんなんだなとか。だけど親を頼れない子どもたちというのは、なかなかそういう話を聞く機会がなかったりとか。あと、勉強してるのはあまりそういうことになりにくいけど、スポーツとかやってればさ、先輩との深い付き合いとか、OBとか、そういう外部の人との縦の付き合いって発生しやすいけどさ、実際、自分たちで学費も生活費も稼ごうと思うと、部活あきらめなきゃいけなかったりもするわけだよね。すごい上手で、根性もあって、ずっと続けてればすごい可能性があったやつとかも、自分のなりたい仕事とか職業のために、部活は我慢しようとか。スポーツもお金かかるじゃん、合宿とか、道具とか。そういうことができない子たちもいて、バイトすればバイト先にはかっこいい先輩もしかしたらいるかも知れないけど、それもルーレットというか、めぐり合わせの話だから、かっこいい大人というか、かっこいい背中というか、そういう人たちと出会える機会って、足りないってところに対しては積極的に作るって動きをやっぱりしていかないといけないのかなって思う。イトナブも震災の後に立ち上がって、現場には元気があるけど色々足りないものもある、という時に世の中の活躍しているエンジニアの人たちが足を運んでくれたわけじゃない。その人たちが引っ張ってくれたのも大きい気がしていて、カナエールもボランティアのチームの人たちって、それぞれ色々な職業で働いていて、すごい大企業で働いてる人もいれば、外資で色々な会社ジョブホッピングしてる人もいれば、福祉畑の先輩もいるかも知れないし、教育の現場にいるような先生もいるし。ごった煮みたいなさ。夢と、かっこいい大人とか、かっこいい背中って多分にリンクするところがあると思っていて、そういうかっこよさを見せてくれる人がいるから自分も夢語って良くなるとか、ああいう人がいるんだから私にもできるかも知れないみたいなさ、そういう肯定のされ方ってあるよね。

【サヤカ】肯定してくれる人は大事ですよね。

【コースケ】肯定する方が大変だからね。否定すれば手を離せるけど、肯定すると担がないといけないから、否定するより肯定する方が責任伴うんだよね、本来的には。だからそこで、ある意味、他人に対して、どれくらい能動的にお節介焼けるかということかと思っていて、カナエールも、昔からかわいそうな子たちだから助けてくださいを言わないようにしようと言っていて、この子たち頑張ってるし、強い子たちだから応援してください、という言い方をしている。社会に蔓延するダメなものに文句を言えば気分が良いみたいな空気は俺も嫌いでさ、なるべく褒めたり認め合ったりすることで伸びていけるところで、うまくいってないことを一緒に解決できちゃうと、楽なんだろうなって気がするよね。

【サヤカ】そうですよね。

この夢は忘れない。

【コースケ】最後にですね、カナエール最後なので、最後のカナエールにメッセージを。

【サヤカ】より多くの人に聴きに来てもらいたい、多くの人知ってもらいたいというのがあって、それが大人じゃなくて、同じ児童養護施設にいる子とか、自分の中に色々抱えているものがあって自信をなくしている子とか。そういう人にすごい響くイベントだと思うんですよね。自分にもすごい響いたし、あの後、自分の過去の話をもうちょっと人に話してみようと思えたとか、人の気持ちを変えるものでもあると思うんで、若い人たちがもっと聴きに来てくれたら良いなと思うのが1つあります。あとは、忘れないで欲しいですね。終わっちゃうけど、自分も含めて、カナエールがやって来たことを忘れちゃいけないと思ってます。


太田 サヤカ
一般社団法人イトナブ石巻 グラフィックデザイナー

東北電子専門学校グラフィックデザイン科卒業後、Klab株式会社に入社。主にソーシャルゲームのGUIデザインを担当。1年後イトナブ石巻へ転職。webデザイン、アプリデザイン、ロゴデザイン、イラストレーションなどグラフィック業務全般を担当。こども向けのデザインワークショップや勉強会の企画も担当しており、こどもからおとなまでわかりやすく楽しんでもらえるデザインやその仕組みづくりに重点をおいて活動している。


 

「魂の言葉を伝えるスピーチ」~奈良橋陽子さんとの表現ワークショップ~

5月14日(日)に都内のスタジオで、キャスティングディレクター/演出家の奈良橋陽子さんに、カナエルンジャーに「伝える」スピーチの方法をアドバイスいただく、特別ワークショップを実施しました。

東京・横浜の17チーム(カナエルジャー・エンパワ)が参加し、まず各チームで原稿の要所を抜き出して、90秒を目安にスピーチをしてもらいました。
俳優の伊藤雄太さん、女優/脚本家の岩瀬晶子さんにも講師に加わっていただきました。

プロを含めて、総勢数十人の聴衆に囲まれたカナエルンジャーは、とても緊張していた様子。
おそるおそる横浜の各チームのカナエルンジャーがスピーチをはじめましたが、

「誰だって、どんなベテラン俳優だって緊張はするもの。緊張が表現の妨げになるときがあるけれど、それは決して悪いことではない」
「誰かひとり、安心して話せる相手を見つけて、その人に優しく伝えようとすればより一層伝わるかも」
「当日も一杯のお客さんが聴きに来ていると思うけれど、あなたの失敗するところを見に来ようとしているのではない。全員が応援する気持ちで聴きに来ている味方だということを覚えていて」

カナエルンジャーは、一人ずつ奈良橋さんからの熱のこもったフィードバックを受け、カナエルンジャーたちの表情は、大勢の前できちんと喋りきったという安堵の気持ちもあって、緊張から一気に笑顔に! 場の雰囲気もすぐに和やかになりました。

各チーム、奈良橋さん、伊藤さん、岩瀬さんからのアドバイスを受け、30分のブレイク時間で、各チームでスピーチ内容を練り直して、2回目に臨みます。それぞれのチームが、短い時間ながら思い思いのやり方で「より良いものを」と振り返り・練習を行うと、広いスタジオは熱気で室温が急に上昇したかのように思えるほどでした。

そんなチームの努力、とりわけカナエルンジャーのより真剣な取り組みもあり、2回目のスピーチは劇的に素晴らしいものとなりました。1回目のスピーチを行った場所から、隣の広めのスタジオに移ったにも関わらず、自信に満ちた部屋に響く声、原稿を見るばかりだったけれど相手をスピーチに引き込むようなアイコンタクト。伝えたい大切な言葉をみんなに聞いてもらうための抑揚の付け方。他のルンジャーへアドバイスも自分のものとして取り入れ、読み上げていた文章が「自分の言葉」となっていました。

「失敗してもいい。失敗しないと学ばないのだから」
「あなたの思いがすごいのだから。今の自分を乗り越えていこうとしているのがすごいのよ」
「だから、あなた自身のことをもっと主張して、自分の声を聴いてもらって」
「心の声を聴いてもらうように。まだスピーチの熱量が魂の言葉につながっていない」

 

こうして、あっという間に3時間の表現ワークショップが終わってしまいましたが、カナエルンジャーの「伝えるスピーチ」の方法だけではなく、自分に自信を持つことに背中を押していただいた、とても貴重で勇気づけられる時間でした。

コンテストまであと1か月半。東京・横浜のチームが勢揃いする機会は、これで最後になります。
一人ひとりの「魂のスピーチ」が、さらにどう磨き上げられるのか、とても楽しみです。
彼らの等身大の声をぜひ聴きに、会場までお越しください。

(実行委員:おちえ、おじゃる)

カナエールのこと、覚えていますか?

2年前のカナエール。
初めてエンパワとして参加しました。
スピーチコンテストも間近になると、120日間を共にしたカナエルンジャーは、歳の離れた弟のような、かわいい息子のような存在になっていました。

「そんな弟(息子)の勇姿を、ぜひ誰かに見てほしい!!」

とは言え、なかなか声をかけられる人もいなかったので、身近なところで、家族2人に見に来てもらうことにしました。
私の家族は、私がカナエールの活動に参加していること知っていましたが、児童養護施設や社会的養護についても知識はほぼゼロ。
そんな2人の目に、スピーチコンテストはどのように映ったのか、改めて聞いてみました。
そもそも2年前のこと。
覚えているのでしょうか…?


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◆カナエールのこと、覚えていますか?
―覚えています。
こんな取り組みがあるのかと驚いた。奨学金が時間をプレゼントすることに繋がると言うことを初めて意識しました。
※カナエールでは、月々の奨学金3万円を「時間のプレゼント」という考え方をしています。
月々の奨学金3万円は、アルバイト37.5時間分に相当します(時給800円の場合)。これは、睡眠、勉強、友達との時間を削ってアルバイトに励む奨学生への時間のプレゼント。“時間のゆとり”は“心のゆとり”として、卒業までの生活を意欲面でも支えます。

―覚えています。
いろんな方々が幅広く活動を応援してる事にビックリしました。

◆スピーチコンテストに参加する前、児童養護施設や、そこに暮らす子どもたちに対して、何かイメージを持っていましたか?
―漠然と『恵まれない、可哀想な子』というイメージでした。

―児童養護施設の存在は知っていましたが、内容までよく知りませんでした。親と一緒に生活できない子どもたち(私が思っていた子どもたちとは、親と死別した子どもたち)が施設に引き取られて一緒に生活する場所だと思っていました。親から虐待を受けた、経済的な理由で一緒に生活できない子どもたちも含まれているという事までは理解していませんでした。

◆スピーチを聞いて、どのように感じましたか?
―辛い経験に埋もれず、各々の境遇を受け入れ、そこから自分のやりたいことを見つけて、原動力にもしていることが凄いと思いました。

―皆さんが自分の将来のやりたい仕事についてしっかりとした目標を持っていることに凄いな!と思いました。自分が皆さんの年齢の頃は、ただ、のほほんと毎日を過ごして自分の将来について深く考えてなかった様に思います。

◆スピーチを聞く前と聞いた後で、児童養護施設やそこに暮らす子どもたちへの印象は変わりましたか?
―とてもいろんなことを考え、自分に出来ることをしっかり見つけたい、実現させたいという気持ちを強く持てる子たちが多いのではないかと考えさせられました。

―何も知らない時は、児童養護施設に対して暗いイメージを持っていましたが、子どもたちを支えるのに多くの理解者、支援者がいらっしゃる事を改めて知ることが出来ました。如何に自分が何も知らなかったかを教えていただきました。子どもたちも一人、一人が自分の目標に向かってしっかりと努力をし、歩いている事を感じさせて頂きました。

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カナエルンジャーのスピーチを聞いて感じることは、もちろん人それぞれです。
でも、きっと、聞いてくださった皆様の心の何か響く言葉があるはずです。
印象に残る表情があるはずです。
皆様の心に何が響くのか、ぜひ会場に来て、一人一人感じていただきたいと思います。

(実行委員:なかちゅん)

カナエール誕生物語 – 言葉では伝えきれないもの

先日、あるプレゼン大会に伺って来ました。そこに登壇したのがアトムストーリーの村上賢太さん。この春、カナエール誕生の物語をパラパラマンガで制作してくださった方です。「私がパラパラマンガの事業を頑張っている理由をお話しますので、是非来てください!」というお声がけをいただき、伺わせていただくことにしました。

「伝えたいストーリーで世界にインパクト」。

村上さんはご自身の生い立ちから、「本当に想いを伝えたい人に、想いを伝えきれない人」をサポートするため、パラパラマンガの事業に注力しているんだそうです。言葉では伝えきれないことがある、村上さんは親しい友人の結婚式のムービーづくりでとても喜ばれた経験をきっかけに、これまで500組の新郎新婦の門出のためのムービーを制作し、今、企業、地方、そしてカナエールのような社会問題の解決への取り組みにも、「映像は言葉の壁を超える力がある」と信じて、パラパラマンガに取り組んでいます。

ご自身の結婚式の際に、これまでの感謝をお世話になったお母様にパラパラマンガで伝えた時のエピソードが紹介されていました。過去のできごとがなかなかうまく共有できなかったり、今の想いがなかなか具現化できなかったり、そんな誰もが抱えるもどかしさを村上さんたち、アトムストーリーはマンガ表現とチームの力で解決しています。

お待たせしました。カナエール誕生物語、始まりのハルカのストーリー。是非、観てみてください。

これより少し前、このパラパラマンガの主人公、ハルカの話を聴く機会がありました。きちんと話を聴くのは初めてのことでした。ハルカが看護師になることを目指して、応援者を募ったこと、その挑戦の物語が、カナエール発足のアイデアの元になっています(この部分をパラパラマンガで伝えていただいています)。

「人は社会に出れば皆、平等。辛い経験を乗り越えた私たちだからこそ、きっとこれからも頑張れる。」

力強く語るハルカの姿が印象的でした。そんなハルカも、今、2児のお母さん。たくさんの子どもたちがハルカの笑顔に続いて欲しい、そんな風に思います。

ハルカが「平等」という言葉を使ったことには、「自分を甘やかさず、人を頼ろう」というメッセージが込められているのではないかと感じました。人生の広がりを感じさせてくれるような、勇気をもらえる言葉でした。以前、あるカナエルンジャーがスピーチコンテストで「大人になるのを楽しみにしてください」と会場にいるであろう、たくさんの自分の後輩たちに向かって語りかけてくれたことを思い出しました。そこには希望があります。

コンテストの会場で、子どもたちの言葉や、会場の空気や、スピーチの迫力でしか伝わり得ないものってあると思っています。

ただ、ある人は、映像で、ある人は、生き方で、頑張る子どもたちを応援してくれています。たくさんの人に、それぞれのやり方で関わってもらうこと。カナエールって、恵まれたプロジェクトだなって思います。

広がれ。

会場でお待ちしています。

【エンパワ日記】自由とはなんですか?

皆さん、こんにちは!

横浜オレンジのマネージャー けにちゃんです。 横浜オレンジはカナエルンジャーのししょう、エンパワメンバーのあくちゃん、ロウジーと私の4名で活動しています。

カナエルンジャーのししょうは、見た目は大人っぽくて大人しそうな男の子です。 シャイなところがあるので、自己開示をして人と深く仲良くなるまで少し時間がかかるのですが、一度仲良くなると第一印象とは裏腹にたくさんの話しをしてくれます。 口笛が超絶上手だったり、手品が出来たりと多彩な才能を持っていたり、ラーメンが大好きで関東のいろんなラーメン屋に食べ歩きをしたりと、知れば知るほどたくさんの面白い顔を見せてくれる、ししょう。

そんな彼は、いま、真正面から真剣に自分の将来と向き合っています。

これまでの人生で、我慢することが多くて、自分のしたいこと・欲しいものを考える時間がなかったと話す、ししょう。 ブログタイトルにある「自由とはなんですか?」とは、彼がいま一番自分自身に問いかけていることです。 そんなししょうと、私達エンパワチームが一緒になって、これから何をして、どんな人生を送りたいのかを一生懸命に模索中です。

ししょうが、自分の人生に誇りを持ち、ししょうらしくイキイキと生きていくための原点になるような、そんな期間になるように、本番当日まで4人5脚で走り抜いていきます。
彼がどんな夢を持ち、どんな姿でスピーチ本番を迎えるのか??
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1日横浜会場で、みなさんに聞いて頂けることを、心から楽しみにしています!

(横浜オレンジ:けにちゃん)

【エンパワ日記】ファミレスでの放課後の女子高生のように

51名の社会人、17チームで動き出した2017年のラストカナエール。
LINEやSkypeを利用したりして、各チームが忙しい日常の合間をぬって交流しています。
カナエルンジャーと、各役割を持った社会人のエンパワ3名の合計4名が、一致団結してスクラムを組んでスピーチコンテストへ向けて取り組みを続けています。
エンパワの役割は、動画撮影:クリエイター(とっちぃ)、スピーチ原稿作成:メンター(りーさ)、進捗報告やスケジュール調整:マネージャー(えの)、と決められてはいますが、各個人の生活がある中、スケジュールが合わない場合は、その役割を超えてカバーしあって活動しています。

そんな中、チーム活動の中で一番深く会話を出来るのは、やはりFace to Faceでのミーティングでしょうか。
ミーティングのスケジューリングも、LINEでの会話で、あっという間に決まります。
えの: 「今度の日曜日の午後は予定大丈夫かな? 問題なければ14時30分にいつもの東京駅の東海道線ホーム集合で。最初は撮影構成について、その後は原稿作成でいこう。」
りーさ: 「予定が入ってましたが、調整出来たので空いてます。」
とっちぃ: 「私は何時でも大丈夫」
ソフィー: 「大丈夫です!」
そんな感じで「東京ゴールド招集」が発動されて、日曜日14時30分にみんなワイワイ集合、そしてファミレスへ。

ベタだけれど、やっぱり顔を合わせた会話が一番ですよね。
(チームによっては、なかなかそうも行かない状況もあるかもしれませんが)

東京ゴールドのカナエルンジャーはソフィー。いつも明るく努力家で、通訳になりたいという夢に一歩一歩進んでいます。
そんな彼女もやはり時折原稿作成には悩むもので、3月の合宿ではじめてみんなの前でスピーチを披露する際も、直前まで「大丈夫かな~」っと心配顔。
そんな、私達にみせる表情が豊かなところも彼女の魅力のひとつです。

ミーティングでは、LINEでのやりとりではなかなかフォローしきれない、最近の状況をお互いアップデートすることも大切な時間。話をしようと思っていたことから脱線することも度々。
そう、ここは普段の仕事場にはない生産性や効率の追求だけではない特別な空間。
3ヶ月前に初顔合わせをしたメンバーなのに、いつのまにか放課後ファミレスでくっちゃべる女子高生グループのようです。(すいません、私はオッさんなので除きますw) 好きなケーキの話、芸能人の話、音楽の話・・・etc
もしくはバーチャルファミリーかも。

この脱線は楽しいだけでなく、実はソフィーを、エンパワメンバーを知るうえで大切なヒント、宝物がそこにあるのです。ちょっとした話から、この人にはそういう一面もあるのかと気づかされたり、時には原稿作りのネタも発見することもあるでしょう。
意見がぶつかったり、励ましあったりこのワイワイ招集を重ねて、牛歩でも確実に7月のスピーチへ向けて私達は進んでいます。

でも、実はこのミーティングには参加していない人のご協力があるおかげで、私達がチームとして活動できていることも忘れてはいけないのです。
事務局、実行委員会、トレーニングに来てくださる講師、仕事人インタビューに協力してくださる方々等々。いろんな人のサポートが有って僕らは動き出せていることを。

まだプログラム半ば。これからが本番。
チームメンバーにも、それを支えてくれる方々にも感謝。
ありがとうにありがとう。
最後まで僕らは走りきります!

(東京ゴールド:えの)

カナエールの文脈 – プロモーション動画制作の裏舞台と小さな村の発電所の話

皆さん、カナエール 2017のプロモーション動画はご覧いただけたでしょうか。コンテストの開催に向けて、GW明け、力が入って来ました。今週末、来週末とコンテスト前のスピーチの事前発表があります。これまでとは違った緊張感、いよいよ本番に向かおうとするカナエルンジャーとエンパワチーム。120日間も終盤戦に差し掛かります。

動画のBGMはYANO BROTHERSさんの”One Step”(快く利用をご承諾いただきました!ありがとうございます!)、コンテストの当日に今年もパフォーマンスくださる予定です。

さて、今日はこのプロモーションムービーについて、少し制作の裏舞台というか、どんな試行錯誤があったかご紹介してみようと思います。

まずお伝えしないといけないことと、と思って、初めに描いたラフがこちら。

雑なスケッチではありますが、何となく皆とイメージを共有できました。例年になかったこととして、今年はカナエルンジャーのスピーチ時の映像も少しだけお見せしており、ぐぐっと当日の雰囲気がイメージしやすくなったのではないかと思います。

ただ、もう1つ今年新しく加わったこととして最後の開催ということがあります。カナエールには立ち上げ当初から培われた「カナエールの伝え方」がありますが(なんとなくですが)、「最後の開催の伝え方」は用意されていませんでした。そこで描いたのがこちらです。

 

こうして、カナエール 2017のプロモーション動画の文脈ができました。まだカナエールを知らない人に皆さんがカナエールをご紹介する時の良い「材料」になれば良いなと思っています。シェア大歓迎です。カナエール 2017が描いた文脈が多くの方々に人から人へ伝わっていって欲しい、そう思います。

文脈、ちょっとわかりにくい言葉ですね。

最後に1つ、例えば、の話をさせてください。


あるところに小さな村がありまして、この発電所では電気の代わりに文脈を起こします。発文所。

10人くらいのチームで、次から次へと文脈を起こして記事にする。時には他の村人から文脈借り受けたり、近くの村の力のある人に文脈預けて膨らませて返してもらったり、大きな発文所に文脈渡して大きく広めてもらったり、まとめて文脈を人の集まるところに置かせてもらったり。

作った文脈を送文線で村の隅々まで送りつつ、村の外にも供給します。印刷されて配られたり、映像になって眺められたり、何万人もの人に文脈届けて、1000人くらいに村の祭に来てもらわないといけないので、10人でやるには限界がある。

なので文脈起こして、人から人へ文脈を渡す、人に人から人へ文脈を渡すことを覚えてもらう、学んでもらう、真似してもらう。文脈の受け渡しは伝言ゲームなので人を介せば味付けがある。人がいつしか自分で文脈を作り出す。

発文自体がいつしか広まる。

というようなことをカナエールプロモーションチームではやっています。

多くの人にこのプロジェクトに関わっていただきたい。引き続き応援宜しくお願いします。

【エンパワ日記】大切なよっちへ

東京レッドのマネージャーのまるこです。
今日はこの日記の場を借りて、チームのカナエルンジャーであるよっちにメッセージを送りたいと思います。

 

よっち
今日はよっちのおかげで初めてブログを書きます。
何を書くか迷ったので、よっちへのお手紙とします(笑)

これまで約90日間、私達と一緒に活動してくれてありがとう。
私がカナエールに参加するのは初めてですが、よっちやチームのみんなと活動できて本当に感謝しています。

(仕事人インタビューで伺った保育園での1コマ)

 

よっちの素敵なところを3つ書きます。
(1)時間を守る
初めて会ったときから1度も遅刻をしたことがないよっち。いつもミーティングには誰より早く来てくれて毎回すごいなあと思います。
(2)人前で堂々と話せる
スピーチの練習でも大きな声で堂々と話していました。本番もきっとよっちはマイクなしでも大丈夫なくらいの声で伝えてくれるのだと思うと、今から楽しみです。
(3)おしゃれ
色つきのヘアワックスや真っ赤なスニーカーを使いこなすおしゃれよっち。いつも流行りを教えてくれてありがとう。まずは色つきのヘアワックスから始めてみようかな。

 

周りに人一倍気を使うよっち。
スピーチ作成にも一生懸命に取り組んでくれるのが嬉しい反面、90日間疲れてないかなと少し心配です。
頑張り過ぎず、私たちにできることがあったら、たまには頼ってね。

(スピーチの練習風景)

 

最後に東京レッドチームメンバーの、やっくるとフッキーのことも書いておきます。
東京の端っこから毎回1時間30分かけて来てくれるメンターのやっくる。腰を負傷して動けないときもチームの打合せは休まず、関西人の熱い魂に感動しました。たくさん笑わせてくれる、チームのムードメーカーです。

カナエール参加5回目のベテラン、クリエイターのフッキー。恐ろしく頼りにしすぎて申し訳ないくらいです。世の中の良いことは全てフッキーが起こしているのではないかと思うほどに穏やかな、チームの安定剤です。

 

よっちが伝えたいことを思いっきり伝えられるように、7月8日のカナエール東京スピーチコンテストに向けて残り50日間、楽しくやろうね。
スピーチ本番の日が、よっちにとって最高の1日になりますように!

 

(東京レッド:まるこ)

【エンパワ日記】ガッツの「ありがとう」

こんにちは!東京ブルーチーム、マネジャーのえっつんです。

今回は、わたしたちチームのルンジャー、ガッツのことをお話します。

ガッツは現在高校3年生の男の子。

マンガ『ベルセルク』の主人公の名前からとったそうです。

顔は似てません(笑)。ベルセルクが、マンガが大好きでつけた名前だそうです。

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そんなベルセルク好きなガッツは

*「ありがとう」が言える

*でもちょっとテレ屋さん です。(^_^;)

初めての顔合わせの時、お互いすごくドキドキでした。

マネジャーの私は、前日興奮してよく寝付けないくらいに!

高校生のガッツは、もっと大変だったんじゃないかと思います。

その初日、事あるごとにガッツは「ありがとう」と言ってくれました。

大人ながら、ここは学ぶべきところが大きいなと感じます。

その初顔合わせから1ヶ月後、合宿では「プレプレスピーチ」がありました。

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スピーチ内容としてはまだまだなんですが、私たちが注目したのはガッツの視線です。

当日ルンジャーやエンパワなど60人を前に語りましたが、

60人の目が、耳が、一斉に自分に向いている緊張感の中…。

ガッツは時折原稿を確認しながら、ずっと視線は聞いてくれている60人にありました。

視線を会場全体にゆっくり動かしながら語ることができたガッツ。

これが自然にできちゃうのはスゴイことですよね!

そのことについて「すごくガッツの良かったところだよ!」と伝えましたが、

ちょっとハニカミながら「別にたいしたことないでしょ」と本人。

そう、テレ屋さんなんです(^_^)

でも本当にチームのエンパワ全員、心からそう感じました。

そんな、「ありがとう」が言える、でもちょっとテレ屋さん、のガッツの夢は…?

それは、東京チーム発表の7/8(土)の会場で!
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私を支えてくれた大人たちと、人生の2つの転機。

こんにちは。カナエール実行委員のゆきまるです。
私は、12年前に児童福祉の養護を受けていました。
前回は、施設を出た後の学費と生活費捻出の大変さや生きづらさについて書きました。(前回記事はこちら)

進学を目指した当時の私が大学へ行く理由。
それは、
一生孤独な人生を送ることになっても最低限の生活を送れる人になりたい。
そのために、最低限必要なのは「学歴」だ。
大学さえ卒業できれば、この先も何とかなる。そんな理由で、大学進学をしました。
今回は、大学卒業から現在についての私にお付き合いください。
私が経験した人生の転機は2つ。「転職」と「結婚」です。

大学卒業後、私は2回転職をしています。
1社目は過労で入院し、退院後も何度も体調を崩し、働き続けることが困難になったため、入社半年で退職することになりました。
退職後に待っていたのは、生活費と奨学金の返済でした。学生時代もギリギリの生活だったので、社会人半年程度では、ほとんど貯金ありませんでした。学生時代は奨学金の返済がないので、退職後は学生時代よりも生活が苦しくなりました。
そんなときに手を差し伸べてくれたのが、学生時代の3年間アルバイトでお世話になった出版社の編集者さん。
その方に、漫画家事務所のアルバイトを紹介してもらいました。
転職活動で不規則シフトの私を漫画家事務所の方たちは応援してくれて、安心して転職活動をすることができました。
当時お世話になった編集者さんと漫画家事務所の方とは今でも交流が続いています。
もしあの時、手を差し伸べてもらっていなかったと思うと、お金のもらえる手っ取り早い仕事に就いて、自分をダメにしていたのではないかと時々、想像することがあります。

2社目はIT企業に入りました。
私の生い立ちを知った社長が、私の経験が未来の後輩たちのためになるのではないかということで、カナエールと引き合わせてくれました。
今では、カナエールのボランティアを始めて今年で4年目になります。
ボランティア活動は、自分と似た境遇のカナエルンジャーの背中を押したり、見守ることに関わり甲斐を感じるとともに、カナエルンジャーを支える、たくさんの大人たち(エンパワ)との出会いがあり、私自身カナエールで出会った大人たちに支えられることもありました。
先日、2社目での経験を活かし、大手IT企業へ転職することができました。
新しい環境での新しいスタート、学ばないといけないことも多いですが、これまでの経験を大事に、成長していきたいと思っています。


もう一つの転機、結婚について。
私は一生孤独な人生を送ることになってもよい。
自分は結婚を期待してはいけない立場だと、ずっと自分に言い聞かせていました。だから、そのためには備えが必要だと。
大げさと思われるかもしれませんが、ずっとこのように思っていました。

”訳ありで親や親戚のいない人となんて、誰も結婚したくないはず。
もし結婚を考えてくれる人が出来ても、相手のご両親から私の生い立ちが原因で反対されたら潔く身を引こう。”

その反面、普通の家庭を築くことに強い憧れを持っていました。
そんな私がプロポーズを受けた時、嬉しい気持ちと同時に、相手のご両親に反対されたら身を引く覚悟もしていました。

  • 「お父さん、お母さんはどんな人なの?」
  • 「何をしてる人なの?」
  • 「どうして関係を絶っているの?」

と聞かれたら、私は何て答えよう…どうやったらうまく答えられるかな…
そんな不安な気持ちでいっぱいでした。
その時に相談にのってくれたり、励ましてくれた存在がカナエールで出会ったボランティア仲間でした。

まもなく結婚して1年を迎えようとしており、現在、結婚式の準備を進めています。
親との関係がない私のためにカナエールで出会った仲間たちが婚姻届の証人サイン親族同様の形で結婚式への参列を引き受けてくれました。
 

家を出てから12年。
30代になった私は、日々丁寧に暮らすことを心がけてます。虐げられる生活から抜け出し、12年前に掴みとった自分の人生だから。
私はもう子どもではありませんが、大人になり社会に出たあとも、親から受けられるであろうサポートがなくても仲間や恩人の存在によって、人生の節目、節目を支えてもらい、憧れだった普通の家庭を築き始めました。

今年でカナエールは最後になります。子どもたちへの進学の支援は整ってきました。
しかし、進学以降も転職や結婚など、人生の節目や困難を迎えることがあります。その時に支えてくれる存在がいることがとても重要です。
だから私は、カナエールが終わったあとも、カナエルンジャーの事を見守り続けようと思っています。


カナエール実行委員:ゆきまる