「社会起業家、むちゃくちゃかっこいい」実行委員長の7年間 – カナエール東京・横浜実行委員長 植村 百合香

2010年に、NPOに転職したのは、ほんとうにそれだけの動機。
それまで殆ど、 社会貢献だとかボランティアだというものに思い至ることのなかった当時、23歳。社会人2年目。

出版社で書店営業をしていて、ある本がどうしても気になり、手にとって読んだ帰り。
「あ、これ、いま、雷が落ちたような感じ!」ほんとうに衝撃を受けた時は、そうやってありきたりな表現に頼るものなのかもしれない。
でも本当だった。私は小暮真久さんという、1人の社会起業家の著書に、心を揺さぶられていた。

働くということについて毎日考えていた。浪人して美大を出てまでデザインに関わりたかったくせに、広告業界という世界に全然なじめなかった。
リーマンショックでの落ち込みを体感し、やってることが社会に求められているのかも、よく分からなくなった。

私がやりたいことはこれだ!
長く鬱屈した日々の反動で、居てもたってもいられず、体が動いてしょうがなかった。

「お金があれば、いくらでも大きな声は出せる。知ってもらうことができる。消費社会の渦から外れて、小さな声に耳を傾けてみたい。
かぶれていた私は、そんな使命感に燃えていた。

当時は、大手NGOをのぞいて、NPOや非営利団体に求人などほとんどなかった。小暮さんに「働かせてくれ」と電話もしたけど「まだ人を雇えるほど力がないんです。」と言われてしまう(そこで誘導されたファンドレイジングパーティでも刺激を受けて益々気持ちは高まる訳だが)

どうしようかなと探すうちに「会社を辞めてNPOでインターンする」ある中間NPOが運営するプログラムを見つけて、応募した。
社会人の応募者は片手くらいしかいなかった。会社の同期をそそのかして、一緒に辞めて参加した。

その時選んだNPOが、ブリッジフォースマイル。

選んだ動機は「こんなものすごい社会問題なのに、誰にも知られてないから。」横並びのフローレンスやカタリバやかものはしプロジェクトは、すでに知名度も高まりつつあったから(つまり失礼ながら一番”小さな声”に思えたから)
加えて、自分が母子家庭であることや、10代の頃の暗いエピソードも含まれていた気がする。

まだ名もなき「カナエール」だったが、ぼんやりと構想はできていて、過去にB4Sサポーターでもあった現在29歳の “ハルカ”という施設出身の女の子のエピソードをもとにしていた。自分の夢を伝えて、奨学金を集めるという、今のクラウドファンディングの原型を、ハルカは体現していた。

スピーチ×奨学金支援 の立ち上げ要員として募集されていた例のインターン枠に私が来たものだから、待ってましたとばかりに、右も左もわからないまま話は進む。早速、えりほ(ブリッジフォースマイル代表)のもとで、協力者集め、プログラムづくり、お金集めに奔走することになる。
インターン8ヶ月間を終え、2011年4月より常勤スタッフに。

もうずっとがむしゃらだったし、向かいくるのは難問だらけ。

児童福祉という世界と、社会をつなぐというのは、言葉では簡単なのですが、やってみるとそうでもない。
子どもを守るため、リスク回避がひとつの使命である方々に、もっと外に開きましょうや!ボランティア受け入れましょうや!みんなに知ってもらいましょうや!
って、その必要性自体は言われるまでもなく分かっていたとしても「そうもいかない事情」だらけ。

まあ、だからなにが大変だったの?は、キリないので、また別の機会に。初年度の奨学生が決まった直後に大震災があり、そういうことも含まれます。

児童福祉と社会のはざまの難儀さに頭をひねり、どうしたら施設に信頼してもらえるかを考えつつも、えいや!と、施設職員からしたら相当高いハードル(スピーチしてもらう)を課したのがカナエール。

「大勢の前で話せるような子はいないと思いますよ」と言われた初年度だったけれど、なんとかこれまで124人を奨学生として迎えられたのも職員が託してくれて、送り出してくれたから。

悩んだことも落ち込んだことも、うまくいかず迷惑かけたことも当然あるし、前職で鍛えられたせいか、最初の1年なんて「なんて自由で働きやすい職場なんだろう」って思ってたぐらいで。

いいことも悪いことも次から次で飽きなくて、出会いがどれも尊くて、みんなでつくりあげている実感があって、楽しかった。

いつも、カナエールに参加する動機はなんでもいい(面白そうだからでもいい)と言っている。それは自分自身が”子どものために!”という熱い思い入れも知識もなくB4Sに来たことの後ろめたさと、(体制やしくみさえあれば)やればやるほどコミットはできるという実感からなのかなと思う。

社会起業家に憧れるだけだった自分が、”社会的養護下の子ども”というテーマを見つけることができ、それなりに働かせてもらえたことに感謝しています。夢を語るプロジェクト運営してる割に自分には明確な夢がなくて、目の前に現れた山を登り続けてるだけでしたが、奨学生に学んでこの先はもう少し考えようかなと思います。

ブリッジフォースマイルがあって、身近に支えてくれる人がいて、実行委員、ボランティアメンバーがいたからここまでこれました。
過去の自分を受け入れて肯定できるようになったのも、この仕事があったから。心から感謝しています。

結果的に、7年間で

ボランティア 560名
奨学金継続サポーター 460名
来場者 5,000名
協賛企業 78名

のお力ぞえのもと、

奨学金給付総額 1億4,300万円

奨学生に給付することができます。

最後のカナエール、一緒に盛り上げてください^^
会場でお会いしましょう!

 

 

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