こどもの日 – カナエールと124人の子どもたち

124人。これは、この7年間、カナエールが迎えた子どもたちの人数です。
昨年度、終了段階で「カナエルンジャー」(奨学生)は100人に達し、2017年、最後の開催でカナエルンジャーは総勢124人となります。

皆さんもこの1年ほど、社会的養護の子どもたちのための奨学金のニュースを目にしたことがないでしょうか。子どもの貧困という言葉がキーワードとしてクローズアップされるのとともに、少しずつですが、世の中に子どもたちを巡る状況が伝えられることが増えたように思います。

一方で、「事件」はニュースになりやすいが、「状況」はニュースになりにくい。

子どもたちを巡る「状況」が変わって来ても、その全体像が伝えられる機会というのは意外と少ない、というのが実際です。

社会的養護の子どもたち向け奨学金

チケット販売開始の記事でご案内した通り、社会的養護の子どもたちが利用できる奨学金プログラムは急速に広がりを見せています。カナエールもそうした奨学金支援プログラムの中の1つです。

図表を見ていただくとわかる通り、行政をはじめ、企業や団体、大学なども積極的に奨学金制度の充実に取り組んでいます。金額や支援対象者数、使途の範囲はさまざまですが、進学を希望する子どもたちにたくさんの選択肢が用意されたことになり、このことは社会のとても前向きな変化です。

子どもたちを巡る状況が変わりました、そう言えると思います。

社会的養護の子どもたちの自立支援を考える時に、この「進学」というライフステージは、特に資金面での支援をしやすいタイミングとも言えます。虐待や貧困、問題の根っこにあることが解決されたわけではないですが、社会がそのチャレンジを応援する態勢が整いつつある、そういう風に言えそうです。

奨学生カナエルジャーの現状

先ほど、124人と書きました。2017年3月時点での状況は下記のとおりです。

ご覧いただくとわかる通り、全ての奨学生が進学先を順風満帆に卒業している、というわけではありません。中退率の全国平均約25%と比べれば、プログラムに参加した奨学生の中退率は14%と低くなっていますが、学業とアルバイトを両立し、限られた時間を工面しながら、自分ひとりで卒業までを頑張り抜くことは、奨学金の給付だけでは至らない部分があることも確かです。

カナエールは意欲と資金の両面から子どもたちをサポートすることを謳って来ましたが、資金面での奨学金の給付が奨学生の卒業まで続くように、意欲面でのコンテスト後の見守り支援にも注力して来ました。「グランドカナエール」というプログラムで、カナエールの社会人ボランティアを経験したメンバーが中心となり、日々の悩みや、進路、就職のことなど、頼れる大人が継続的に伴走することで、奨学生が進学先を卒業して、社会人として活躍するまでをフォローしています。

奨学金支援プログラムとしてのカナエールのスピーチコンテスト開催は2017年が最後の開催となりますが、こうした見守り支援は続くということと、奨学金支援が充実しても、この意欲面、子どもたちの気持ちを大人たちが支える「社会の子育て」は、子どもたちが自分の夢に向かって挑戦できる世の中であるために必要です。カナエールというプロジェクトが7年間で培った来た子どもたちと大人たちの繋がりは、きっとこれからもっと大きな意味を持つはずです。

2017年5月5日、こどもの日

いかがでしたでしょうか。こどもの日、こどもの幸せを願う日、社会的養護の子どもたちを巡る状況を、もう一度、考え直していただければ良いなと思いました。この夏、東京・横浜・福岡の開催地で、総勢24名の子どもたちが、カナエール 2017 夢スピーチコンテストに挑戦します。社会人ボランティアやサポートしてくださる大人たちとともに、120日間の準備をして、コンテストの壇上に立ちます。

大きな変化の時期だからこそ、カナエール夢スピーチコンテスト、最後の開催をたくさんの方々に見届けていただきたいと思います。過去最大の席数をご用意してお待ちしています!1人でも多くの皆さんに、子どもたちの今と向き合ってみて欲しいと思っています。是非、会場へ足を運んで、カナエルンジャーのスピーチを聴いてください。