「号泣する準備はできていなかった」

 
このブログはカナエール2016のエンパワ日記「笑顔への旅路」の続編です。

 
こちらをご覧になってから読むことをお薦めします。

 

「絶対4人で笑顔で舞台に立つ」

カナエール2016 東京ブルーチームの、その約束は果たされませんでした。

笑顔のままではいられないほどの体験が、そこにありました。

 

<6月25日 四谷区民ホール>

スピーチコンテスト当日。
スピーチをしている「ぎりちゃん」の右後ろで、僕は号泣してしまいました。
笑顔で見届けようと心に決めたのに、どれだけがんばっても、涙を抑えることはできませんでした。
人前で、あれだけ体を震わせて泣いたのは、中学時代のサッカー部の最後の試合に負けたとき以来じゃないかと思います。

 

壇上のぎりちゃんは、スピーチ序盤から感情が溢れ、マイクが必要ないくらいの力強い声で、自分の思いを語りました。
それは、スピーチというよりも「魂の叫び」と呼んだ方がふさわしいほど、心の底から、身体中を振り絞って、600人の聴衆に投げかけられました。
ぎりちゃんのスピーチは、自分を変えてくれた恩師、T先生へのメッセージで終わりを迎えます。
マイクを外し、全力の生声で発せられたその言葉は、T先生の胸に確かに刺さりました。
その瞬間、ぎりちゃんの心の中の、見えない鉛の塊のような重しが、溶けてなくなったような気がしました。

 
<前日 6月24日の夜>

ぎりちゃんは、一緒にスピーチコンテストに出場する「いっちー」とともに、施設の食堂に職員の皆さんと後輩たちを集め、スピーチのリハーサルを行いました。

書き上げて、練習してきたスピーチの仕上げとして、ぎりちゃんは力強く語りました。
そして、スピーチ終盤。
原稿にないことをぎりちゃんは語り始めました。

それは、今まで育ててくれた施設の職員の皆さんへの感謝の言葉。
T先生へのメッセージのパートを、施設の職員の皆さんへのメッセージに差し替えたのです。
スピーチの本番原稿をまとめ上げる中で、時間と字数の関係で泣く泣く削った言葉を、彼女は届けるべき相手の前で、蘇らせました。

ぎりちゃんにとってカナエール2016のスピーチコンテストは、6月24,25日の2日間だったのです。

 

<再び 6月25日 四谷区民ホール>

スピーチを終え、舞台裏に引き上げるぎりちゃんと3人のエンパワメンバーの他にもう一人、泣き崩れている人がいました。

舞台袖で次の出番を待っていた「いっちー」。

同じ施設で過ごしてきた ぎりちゃんの親友であり、前日のリハーサル(本番1日目)をともに実行した、東京ブラックチームのカナエルンジャーです。
ふたりは前日のスピーチをお互いに聞かないようにしていたため、いっちーは、本番の自分の出番の直前に、ぎりちゃんのスピーチを舞台袖で聞くことになりました。そして、感動のあまり、泣き崩れてしまった。

幸いなことに、プログラム上、審査員のコメントが入るタイミングであったため、いっちーには、心を落ち着ける5分の猶予が与えられました。

いっちーもまた、素晴らしいスピーチを聴衆に届け、その姿を、ぎりちゃんは控え室のモニターで見守っていました。

 

これは、カナエール2016で起こった出来事の本当にごく一部にすぎません。
そして、スピーチコンテストが終了してからも、カナエールの体験は、関わった人それぞれに大きな影響を与えます。

 
その一人として、次回は僕自身のその後のストーリーを書きたいと思います。

カナエール2016エンパワメンバー 東京ブルー やまちゃん

 

カナエールボランティアの説明会は残り4回です。
やまちゃんが語ったカナエールのエピソードに興味を持った皆様、ご参加をお待ちしております。(実行委員:おちえ)

1月 5日(木) 19:30-21:30 東京大手町
1月 8日(日) 13:00-15:00 東京大手町
1月14日(土) 10:00-12:00 横浜
1月15日(日) 10:00-12:00 東京大手町

説明会への参加のお申し込みは、以下のボランティア募集ページをご覧ください。